デイリー・アップデート

2024年2月28日 (水)

[ナイジェリア] 中央銀行(CBN)は、2月26日~27日に金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を18.75%から22.75%に引き上げた。引き上げは2023年7月以来初。中銀は今回の金融引き締めの理由を、同国の通貨ナイラ安の進行、エネルギー価格の上昇、高水準の財政赤字などのインフレ圧力の高まりによるものとしている。2024年1月のインフレ率は、前年比29.90%に上昇している。2023年6月に公定レートを変動相場制へ移行した後、ナイラ安の動きが止まらず、2月26日付で1ドル=約1,662ナイラと記録的安値を更新している。

[インド] 2月21日、政府は宇宙産業における外国直接投資(FDI)の政策を改正した。この改正により、外国資本の参入に対する規制が緩和され、民間セクターの参加が促進されることが期待される。改正された政策では、宇宙産業の各分野において、外資企業の出資比率に応じて政府承認が不要となり、政府の事前承認なしに最大100%までの出資比率でFDIが可能となっている。世界の宇宙開発市場におけるインドのシェアは現在わずか約2%だが、急速に成長している。2023年8月には、世界で4番目の国として、無人探査機の月面着陸(月の南極付近への着陸は世界初)を達成した。

[米国] 商務省によると、1月の耐久財受注は前月比▲6.1%となり、2020年4月(同▲19.3%)以来の大幅な下落率になった。民間航空機の受注が同▲58.9%と大幅に減少したことが響いた。また、企業設備投資の動きに先行する傾向がある非国防資本財(除く航空機)の受注は+0.1%と、2か月ぶりに増加した。企業設備投資に一致する傾向がある非国防資本財(除く航空機)の出荷は+0.8%となり、2か月連続で増加した。ただし、2023年は横ばい圏を推移しており、設備投資の弱含みを示している。

[米国/イスラエル/パレスチナ] 2月26日、バイデン米大統領は、現在米国、カタール、エジプトなどがラマダン開始前の停戦合意を目指して仲介しているイスラエル・ハマス間での停戦交渉に関し、「まだ合意に至っていないが近付いている。月曜日(3月4日)までには停戦にこぎつけたい」と発言。ハマス高官は「まだ正式に仲介案を受け取っていない」と応じた。現在交渉されている合意内容は、40日間の一時停戦と引き換えにハマスが40人の人質を解放し、さらにイスラエルが400人のパレスチナ人囚人を釈放することなどが含まれる。

[米国/WTO] 2月26日、世界貿易機関(WTO)の閣僚会議がUAE、アブダビにて開幕し、米国からはタイ通商代表が参加した。タイ代表は、WTO事務局長との対談をはじめ、中国や南アフリカの貿易担当相との二国間会談にも臨み、中国の王文濤商務部長との会談では、中国による鉄鋼過剰生産問題や中国政府による非市場主義的な政策・慣行について提起した。WTO閣僚会議は2月29日まで開催され、紛争解決制度の改革、デジタルコンテンツに対する関税の問題、漁業補助金などについて交渉が行われる予定となっている。

[米国] 2月26日、現在4期目の任期途中である共和党全国委員会(RNC)のマクダニエル委員長は、3月8日付でRNC委員長を辞任する意向を明らかにした。最近、トランプ前大統領は本選挙キャンペーンに向けてRNC幹部の人事を刷新する意向を表明しており、マクダニエル氏の辞任は、そうした動きを受けての展開とみられる。トランプ氏は共和党に対する影響力を増大させており、次期RNC委員長には同氏に近い人物の登用が予想される。

[ロシア/NATO] 2月26日、プーチン大統領は、ロシア北西部における現況での一つの軍管区を整備・分割し、首都モスクワと西部地域を担当する「モスクワ軍管区」と、北西部サンクトペテルブルクと周辺地域を管轄する「レニングラード軍管区」の二つの軍管区を新設する大統領令に署名した。3月1日に発効する。フィンランドとスウェーデンの加盟が新たに決まったNATOの拡大を受け、軍の機能を強化する狙いがあるとみられる。

[中国] 2月27日、全国人民代表大会常務委員会は「国家秘密保護法」の改正案を可決したと発表、5月1日から施行される。中国では近年、国家による情報統制の範囲を拡大する動きが続いている。今回の改正で、機関や組織が職務遂行の過程において知り得た事項で、国家機密ではないが、その漏えいが一定の弊害をもたらすとみられるものについては、必要な保護措置を講じなければならないとされており、企業活動にとって懸念される。今のところ具体的な内容は不明だが、企業秘密の管理については別途定めるとされている。

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