デイリー・アップデート

2024年5月7日 (火)

[モザンビーク] 5月3~5日、与党・モザンビーク解放戦線(FRELIMO)は党中央委員会を開催し、投票の結果、次期大統領選候補としてダニエル・チャポ氏を選出した。10月9日に5年ぶりに実施される大統領選では、現職のフィリペ・ニュシ大統領(FRELIMO党首)の3選が禁じられているため、同氏の後継に注目が集まっていた。チャポ氏は47歳で、2016年から同国南部のイニャンバネ州の知事を務めるが、国政の経験はない。FRELIMOは2023年10月に実施された地方選でも、第一野党のモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)に大差をつけて圧勝していることから、チャポ氏が大統領に当選する見込みが高い。

[米国/英国] ヒートポンプの普及を阻む唯一のものはテクノロジーではなく、訓練を受けた労働者の不足とされる。最近の研究によると、米国民すべてがヒートポンプを導入すれば、建築部門のCO2排出量が36~64%削減され、国全体の排出量も5~9%削減されるという。コロンビア大学ビジネススクールのワグナー氏は「確かに労働者は不足しているが、明らかな解決策もある。EVが10年前と比べて普及したように、ヒートポンプでも同じことが起こる」と主張する。英国では、オクトパス・エナジーが実物大のモデルハウスを建設したが、1棟は現代の住宅、もう1棟は1960~70年代の古いレンガ造りの住宅を再現し、新規の労働者の訓練に利用している。ニューヨーク市では、窓枠にかぶせて壁に差し込むタイプのユニットを導入した。このように労働者の技術的負担を軽減することで、ヒートポンプ導入の環境の整備を目指している。

[インドネシア] 5月6日、統計局が発表した2024年第1四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は、前年同期比+5.11%だった。3四半期ぶりの高水準だった。2023年第4四半期は+5.04%だった。輸出が伸び悩んだ一方、2月14日の総選挙に向けた選挙活動費や、3月10日から1か月続いたイスラム教のラマダン(断食月)での家計の消費が拡大した。米国の高金利長期化に伴うインフレ上昇圧力や利上げ、中東情勢の悪化など、引き続き経済不安定の要因が見られる中、中央銀行は、4月に通貨ルピアの下支えのため、予想外となる25bpの利上げを行った。2022年半ばから2024年4月までに計275bpの利上げを実施している。

[米国] 労働省によると、4月の非農業部門雇用者数は前月比+17.5万人だった。ここ半年で最小の増加幅となり、増加ペースが減速し、市場予想(+24.3万人)を下回った。失業率は3.9%と、3月から0.1pt上昇したものの、FOMC参加者の長期見通し(中央値)の4.1%を下回っており、雇用環境が悪化しているとは言えない。また、平均時給は前年同月比+3.9%となり、3月の+4.1%から上昇率を縮小させた。米国経済が軟着陸に向かう中で、雇用環境も落ち着きつつあるようだ。

[米国] トランプ前大統領は、不在者投票、事前投票、郵便投票については、不正行為の温床であるとして厳しく批判してきた経緯がある。ところが、そうした投票方式について、「すべて良い選択肢であり、共和党員は計画を立てて選挙登録を行い、投票しなければならない」と、従来までの方針を転換する投稿を自らのSNS上で行った。近年米国では、投票日に投票所で投票を行う有権者が減少する一方、不在者投票や事前投票、郵便投票を行う有権者が急増しつつある。

[中国/フランス] フランスを訪問中の習近平国家主席は、マクロン仏大統領との二国間首脳会談や、フォンデアライエン欧州委員長が加わった三者会談に参加した。ウクライナ問題や中国の過剰生産については、中国から従来以上の政策は示されず、進展はみられなかった。中仏二国間では、航空、農業、グリーン開発、中小企業協力、人材交流など18の部局間協力に調印したほか、中国がフランスからの豚肉臓肉・豚肉加工品の輸入を受け入れることで合意した。また中国国家発展改革委員会とエアバス社は、航空協力の深化に関する覚書を締結した。

[ミャンマー] 5月1日、軍政下の労働省が男性労働者の海外就労手続きを一時的に停止したが、6日、同手続きは再開された。軍政は2月に徴兵制の導入を発表したが、それ以来、若者の国外流出が急増していた。軍政としては、海外就労手続きをいったん止めて、徴兵の対象となる層の人数や身元等を精査する狙いがあったとみられる。

[トルコ/イスラエル] 5月2日、トルコはイスラエルとの貿易関係の完全停止を発表した。トルコ商務省は、ガザでの恒久的な停戦が実現し継続的な人道支援が実施されるまで続けると発表。トルコは、4月にイスラエルへの輸出の一部停止を発表していたが、今回その措置をイスラエルとのすべての貿易に拡大した。エルドアン政権によるトルコ国内の保守イスラム層の支持回復が狙いとみられる。2023年の二国間貿易額は70億ドルで、イスラエルにとってトルコからの輸入は全体の5%を占める。イスラエルは、この動きの他国への波及を懸念している。

[米国] 5月3日、米財務省は、インフレ削減法(IRA)における電気自動車(EV)税額控除に係る最終規則を発表した。2023年12月に公表された暫定規則案がほぼそのまま確定した形だが、EV用バッテリーにおいて2027年までは中国産黒鉛などの重要鉱物を用いることが認められることとなった。当初の案では、2025年から中国などの「懸念される外国事業体」(FEOC)による重要鉱物がバッテリーに含まれている場合は税控除の対象外となる予定だったところ、2年間の延長が認められた。また、FEOCのより明確な定義についても、5月3日にエネルギー省が発表している。

[ロシア] 5月7日、首都モスクワでは、プーチン大統領の通算で5期目となる就任式が行われ、新たな任期を迎える。プーチン大統領は近く内閣改造も実施すると思われ、主要閣僚の高齢化が課題となるものの、世代交代は小幅にとどめる公算が大きい。

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