デイリー・アップデート

2024年5月28日 (火)

[ドイツ] Ifo経済研究所によると、5月の企業景況感指数(2015年=100)は89.3となり、4月から横ばいだった。内訳をみると、足元の状態を表す現状指数は88.3と、4月から3か月ぶりに低下した(▲0.6pt)。また、向こう6か月程度の先行きを表す期待指数は90.4と、4か月連続で上昇した(+0.7pt)。先行きの回復期待がある一方、受注の減少などから、足元がさえない状態になっている。こうした状況を踏まえて、ドイツ経済は「一歩ずつ危機を脱しつつある」と総括された。

[アルゼンチン/米国] ミレイ大統領は、12月の就任以来4度目の米国訪問を実施。経済的に苦境に立たされている自国の「立て直し」を目指して米大手IT企業らと会談し、投資を呼び込む。アルゼンチンの経済大臣を伴い、オープンAI、アップル、グーグル、およびメタとの会談が予定されている。

[ケニア/米国] 5月23日、米国を国賓訪問していたケニアのウイリアム・ルト大統領は、バイデン大統領と「共同声明」を発表した。声明では民主主義の実現、公衆衛生・教育分野での協力、気候変動対策、貿易投資促進など、幅広い分野での両国間の協力強化が約束された。貿易面では2022年から交渉が続けられている「米国・ケニア戦略的貿易パートナーシップ(STIP)」の年内の合意の意向が示されたほか、金融分野では債務返済問題を抱える国々を国際社会が支援する共有ビジョンとなる「ナイロビ・ワシントン・ビジョン」を発表した。バイデン大統領は、ケニアのハイチへの多国籍治安支援ミッションへの協力を歓迎するとともに、ケニアをサブサハラ・アフリカで初の「非NATO主要同盟国」とする意向を示した。

[アルゼンチン] 2023年12月10日にミレイ政権が政権を始動させてから5か月以上が経過したが、5月23日に取材に応じたミレイ大統領は、成立を目指す包括法案がアルゼンチン議会で賛成多数で可決された後で内閣改造に着手する可能性を示唆した。最近、実妹のカリーナ・ミレイ大統領府事務局長とポッセ官房長官が立法アジェンダの進展の遅れなどを巡って軋轢を深めており、ポッセ氏の更迭が憶測される中、ミレイ氏は内閣改造の可能性の言及している。

[エクアドル/中国] 5月1日、両国間の自由貿易協定(FTA)が発効された。FTA交渉は2022年2月に始まり、2024年2月にエクアドルの国会で承認された。両国間の輸出入品目の約90%が関税の対象外となり、そのうち約60%は即座に関税ゼロとなる。エクアドルにとって中国は米国に次ぐ輸出相手国であり、2019年から2023年の間の対中輸出は2倍に拡大している。エクアドルは、FTAで主な輸出品目であるバナナの関税が今後10年間で段階的に撤廃されるため、対中輸出を拡大させる意向を示している。

[ロシア/アフガニスタン] アフガニスタンで2021年に実権を掌握したイスラム主義組織タリバンの「テロ組織」指定解除について、ロシア外務省などがプーチン大統領に提案した。プーチン氏が最終決定すれば、アフガニスタンにおけるタリバン暫定政権の承認に道が開ける。プーチン政権は2003年にタリバンをテロ組織に指定したが、ロシア外務省は2024年4月、指定解除について検討中だと表明した。

[EU/イスラエル] 5月27日のEU外相会合で、ボレルEU上級代表は、同日未明にかけて行われたガザ地区ラファハへの攻撃に関し、イスラエルが国際刑事裁判所の攻撃停止命令・ラファハ解放命令にもかかわらず軍事作戦を実行したことを強く非難した。EU外相らは、EU・イスラエル連合理事会を招集して、ネタニヤフ政権が人権に関するEU・イスラエル連合協定の条項・義務を遵守しているかどうか協議する見込み。

[イスラエル/パレスチナ] 5月26日、イスラエル軍はラファハ西部の避難民のテントが密集するエリアに対する空爆を実施し、パレスチナ人45人が死亡した(うち半分は女性・子供・高齢者で、負傷者は249人)。イスラエル政府報道官は、この空爆を「ハマス幹部を狙ったもの」と発表。国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにラファハ攻撃を停止するよう命令を出した直後のことで、国際社会からの非難が相次いだ。5月27日、ネタニヤフ首相は、この空爆が「悲劇的な事故」だったと議会で説明した。

[米国] 5月24日、全米自動車労組(UAW)は、メルセデス・ベンツ社が労組結成運動を不当な手段を用いて阻害したと提訴し、従業員投票のやり直しを求めた。5月17日に同社アラバマ工場で実施された投票では、反対56%、賛成44%でUAW加入は否決されていた。連邦行政機関である全米労働関係機関(NLRB)が調査を行い、再投票の是非を判断する。UAWは米大手自動車メーカーとの契約更改に成功しており、労組化が進んでいない南部諸州への進出を目指している。2023年時点での全米労働組織率は10%となっている。

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