デイリー・アップデート

2024年5月22日 (水)

[バングラデシュ] 5月10日の現地報道によると、政府は貿易決済での米ドル依存を軽減するため、中国政府に360億元(約50億ドル)を超える融資を要請している。この資金は、企業の原材料輸入と財政支出に活用される見通しだ。財務省と商業省の高官によると、首相府はこの融資要請を承認済みであり、両省は中国政府と交渉を進めているもよう。貿易で米ドル建て決済に過度に依存し、米ドルの外貨準備高が圧迫されていることから、中央銀行が2022年に人民元建てでの決済を認めている。

[日本] 財務省「貿易統計」によると、4月の貿易収支は▲4,625億円と2か月ぶりの赤字になった。輸出が前年同月比+8.3%の8兆9,807億円となった一方で、輸入も同+8.3%と2か月ぶりに増加し、9兆4,433億円だった。輸出数量は同▲3.2%と、3か月連続で減少している。輸出では、自動車や半導体等製造装置、半導体等電子部品が増加したのに対して、輸入では石炭が減少したものの、原粗油や航空機類、電算機が増加した。

[ナイジェリア] 中銀(CBN)は5月20~21日に金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を24.75%から26.25%へ引き上げることを決定した。中銀は、インフレ率は金融引き締め効果により落ち着き始めているが(4月は前年同月比+33.69%)、引き続き食品インフレ(同+40.53%)がインフレ圧力となっているため、さらなる引き締めに踏み切ったとした。ボラ・ティヌブ現政権が燃料補助金を撤廃した影響により、国内の農産物の輸送コストが上昇。また公定レートを変動制に移行した影響により為替安が急伸し、輸入食料価格の上昇の影響が続く。

[米国] 2023年に国連が公表した報告書によると、人類は3万7,000種以上の生物を世界中の新たな地域に持ち込み、毎年200種以上が住み着いている。米国科学アカデミー紀要に発表された遺伝子研究によると、中世の戦争と植民地貿易によってゴキブリが地球のほぼ隅々まで到達することができたことが判明した。チャバネゴキブリのアジアからの脱出経路を追うため、人間が居住するすべての大陸の17か国から採取した281の標本間のゲノム類似性が図表化され、ゴキブリは二度の波で世界制覇を達成したことが示されている。その両方の機会は、おそらく人間が支援してきたという。チャバネゴキブリは、誰も望んでいないのに、ほとんどの人が飼っているペットです。

[米国] 5月21日、イエレン米財務長官はドイツにて講演を行い、バイデン政権が進めてきた大西洋両岸関係緊密化の成果と今後の課題についての認識を披歴した。具体的には、安全保障、持続的成長、そして対中関係という3分野を取り上げた。安保関連では、ロシアの在外凍結資産の扱いや対外投資審査について有志国間の意思統一を図っていくとし、持続的成長に係る領域では重要鉱物の調達をめぐる連携などを課題として挙げた。イエレン財務長官は、5月23日からイタリアで始まるG7財務相・中銀総裁会合に出席するため、訪欧している。

[米国] 5月20日、国際刑事裁判所(ICC、本部:オランダ・ハーグ)はイスラエルのネタニヤフ首相らに対し、パレスチナ自治区・ガザ地区での攻撃による戦争犯罪の疑いで逮捕状を請求した。バイデン大統領は声明で、ICCによるネタニヤフ首相への逮捕状請求は言語道断と批判するとともに、米国とイスラエルとの強固な連帯を表明した。民主党内では若年層、アラブ系有権者、リベラル派がバイデン氏の親イスラエル姿勢を厳しく批判しており、再選失敗リスクになりかねない。

[欧州議会] ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に所属するクラー欧州議会議員のナチス・ドイツに関する発言を受け、フランスの政党「国民連合」とイタリアの政党「同盟」が、欧州議会における協力関係を解消することを発表した。3政党は欧州議会で同じアイデンティティと民主主義グループに所属しており、欧州議会選挙後の政党グループの存続に影響が出る可能性が生じている。

[中国/ロシア] 5月21日、王毅外相は、カザフスタン・アスタナで開催された上海協力機構(SCO)外相会談に参加し、暗に米国とその同盟国を批判しながら、SCOの協力関係を強化する方針を示した。また、同氏はロシアのラブロフ外相と会談を行い、先週行われたプーチン大統領の訪中が成功を収めたことをたたえ、中東和平プロセスや紅海地域の発展、朝鮮半島情勢などについても議論したとしている。一方ラブロフ外相は、1か月以内にロシアで開催されるBRICS外相会合での王毅外相との再会、7月にアスタナで開催されるSCOサミットで中ロ首脳が再会することを楽しみにしていると語った。

[イスラエル] 5月20日、国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官は、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、そしてイスラム主義組織ハマスのハニーヤ政治局長、ガザ地区トップのシンワール氏および軍事部門トップのデイフ氏に対し、逮捕状を請求すると発表した。逮捕状を出すかどうかの判断は、今後ICCの3人の判事による審議会によって行われるが、逮捕状が出れば、ICCに加盟する日本を含む世界124か国(米、イスラエルは非加盟)は、指名手配者が領土内に入った場合に直ちに逮捕する義務を負うことになる。

[ロシア] 5月21日、ロシア軍は、プーチン大統領の命令に基づき、ウクライナに隣接する南部軍管区で戦術核兵器の使用を想定した演習を開始した。現在の演習は第1段階で、核弾頭搭載が可能な弾道ミサイル「イスカンデル」と極超音速ミサイル「キンジャル」が投入され、ロシア南部軍管区の部隊が参加している。今後同盟国のベラルーシも加わる。ロシア国防省は、西側からの挑発的言動や脅威に対応したと説明。

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