2025年1月20日 (月)
[マレーシア] 1月17日、統計局は2024年の実質GDP成長率が前年比+5.1%となる見込みであると発表した。 2023年の同+3.6%から加速するとみられる。産業別では、サービス業+5.3%、製造業+4.2%、建設+17.2%、農業+3.0%、鉱業・採石+0.8%と予測されている。2024年第4四半期(10~12月)は前年同期比+4.8%と、第3四半期の同+5.3%より鈍化する見込み。サービス業や製造業は好調だが、鉱業・採石はマイナス成長を予測している。2024年及び第4四半期のGDPは、2月14日に発表される予定になっている。
[日本] 内閣府「機械受注統計」によると、2024年11月の船舶・電力を除く民需の受注額は前月比+3.4%と2か月連続の増加となった。基調判断は、10月までの「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」へと上方修正された。製造業(+6.0%)が2か月連続で増加した一方、非製造業(+1.2%)が2四半期ぶりにプラスに転じた。10~11月の増加を踏まえると、10~12月は前期比+5.7%と3四半期ぶりにプラスに転じるとの見通しどおりになる可能性が高まった。
[エチオピア] 1月17日、国際通貨基金(IMF)理事会は、エチオピアの貧困削減向けプログラム(ECF)の第二回審査結果を承認した。これにより約2.5億ドルが即時供与される。2024年7月に開始された総額34億ドルの同プログラムによる融資総額は、わずか半年で約16億ドルとなった。IMFは「すべての定量的パフォーマンスは達成された」とエチオピア政府当局の取り組みを評価。また、政府が進める二国間債務と商業債の再編作業のうち、二国間債務については、次回第三回目のIMFの審査までに二国間の合意覚書を締結する方向で作業していると述べた。
[米国] 米国東部標準時間(EST)1月20日正午に、トランプ次期大統領は第47代大統領に就任する。トランプ氏は、大統領就任1日目にバイデン政権の政策を大幅に転換する大統領令に署名する方針を明らかにしており、歴代大統領との比較でも最多の署名数になるとみられている。署名される大統領令には米国内に滞在している不法移民の本国送還プログラムの開始、関税の引き上げ、エネルギー開発の推進などが挙がっている。
[米国/世界] 鳥インフルエンザウイルスの感染が拡大しており、高病原性鳥インフルエンザとして知られるH5N1型とその亜種が世界的に流行している。日本でも千葉県で確認され、これまで計200万羽以上が殺処分されている。米国では殺処分が進んだことで卵の供給が減少し依然として価格上昇が続いており、消費者物価指数によると12月は前年同月比+36.8%となっている。フランスでは野鳥の感染が確認され、ドイツでも七面鳥など家禽へ同様の感染が確認され殺処分が進んでいる。韓国、台湾、インドネシア、ブラジルでも同様に確認されている。H5N1型は人へ感染するケースもあり、米国やカンボジアで鳥インフルエンザ感染による犠牲者の発生が報告されている(各国1名)。各国政府はその防疫措置を強化しているが、ウイルスが変異しやすいことや、鳥は国境に関係なく移動するため措置の効果を確実にするためには情報共有と協力が必要だ。
[ロシア/イラン] 1月17日、イランのペゼシュキアン大統領がロシアを訪れ、プーチン大統領と包括的戦略パートナーシップ条約に署名した。同条約で、経済や軍事、科学技術、文化など幅広い分野で2国間協力を発展させると定めた。ロシアが2024年に北朝鮮やベラルーシと締結した条約には、第三国から攻撃があった場合には相互に支援を行うことが盛り込まれていたが、今回のイランとの条約では、侵略国に対して軍事的な支援をしてはならないと記載するにとどめた。
[グリーンランド/デンマーク/米国] トランプ米次期大統領の領土拡張発言に対してグリーンランドのエーエデ首相は、グリーンランドは「売り物ではない」と強調した。しかし、資源の採掘や安全保障に関しては、米国との関係を強化する意向にも言及している。
[ASEAN] 1月18~19日、ASEANがマレーシアのランカウイ島で非公式外相会議を開いた。ミャンマーからはアウンチョーモー外務次官が参加した。議長国マレーシアのモハマド外相はトランプ米次期大統領らを念頭に、「対話相手国の次期指導者が外交的に心を開いて関与してくれることを願う」と語った。ミャンマーについては、軍政に戦闘の即時停止を求め、マレーシアは元外務次官を特使に任命して近くミャンマーに派遣すると表明した。ASEANは5月に開催する首脳会議で「ASEAN共同体ビジョン2045」を採択する方針。
[イスラエル/パレスチナ] 1月19日、イスラエルとハマスの間での停戦が発効した。停戦の第1段階は42日間で、ハマスが拘束している人質とイスラエル国内の刑務所に収容されているパレスチナ人の交換が行われる。19日には、ハマスがガザに捕らえている人質のうちの24~31歳の女性3人をイスラエル側に解放し、イスラエル側はパレスチナ人囚人のうち女性・子供ら90人を釈放した。今後停戦期間中に、人質の解放とパレスチナ人囚人の釈放やイスラエル軍のガザからの撤退が順次行われ、またガザへの人道支援物資の搬入も再開される。
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