デイリー・アップデート

2022年9月5日 (月)

[インドネシア] 9月3日、政府は2014年11月以来初となる補助金対象の燃料価格の引き上げを決定、即日実施した。オクタン価90(RON90)のガソリン「プルタライト」が31%、軽油が32%と大幅な引き上げとなる。補助金対象燃料の7割は所得水準の高い人々が購入しており、補助金の本来の受益者である低所得者は恩恵を受けていないと指摘、燃料価格引き上げによる影響を緩和するため、低所得者向けには世帯別の現金支給といった支援策を打ち出している。

[ガーナ] ガーナの通貨であるセディの減価がさらに進んでいる。現在心理的な節目でもある1ドル10セディ近辺で推移しており、1月以来、対ドルで40%近く下落している。セディが売られている要因は、インフレや債務危機などの経済問題。債務危機は、税収不足や銀行救済、発電インフラなどへの支出や、干ばつなどによるカカオの輸出減などが考えられる。

[米国] バイデン大統領は11月に行われる米国中間選挙での民主党候補支援の梃入れを図っているが、有権者に対するメッセージとしてトランプ前大統領とその支持者に対する批判を益々強めている。9月1日に東部ペンシルベニア州フィラデルフィアでの演説では、トランプ氏とその支持者である「MAGA(Make America Great Again)共和党員」は民主主義の脅威であるとの批判を展開した。投票日まで2カ月余りとなる中、バイデン大統領のトランプ批判はさらに強まることが予想される。

[ロシア] ロシア・極東ウラジオストクで9月5~8日にかけて、国際会議、「第7回東方経済フォーラム」が開催される。中国共産党内序列3位の栗戦書(りつせんしょ)全国人民代表大会常務委員長やミャンマー国軍トップのミンアウンフライン総司令官が参加を予定。欧米の制裁が続くなか、ロシアのウクライナ侵攻後では初めての開催となる。

[中国] 9月3日、太原市で「水素エネルギー経済発展フォーラム」が開催された。2021年末の時点で、中国の水素生産能力は約4000万トン/年、(実際の)生産量は約3300万トン/年で、水素燃料電池自動車の保有台数は8939台であった。2022年6月までに全国の水素ステーション数は270か所以上になった。また、2022年上半期における水素エネルギー業界における融資案件は21件、額は15.9億元(前年同期比それぞれ50%増、137%増)であった。上海交通大学党委員会副書記を兼務する、林忠欽学長は、2025年には水素燃料電池車の価格をディーゼル車並みにしたいとの抱負を述べた。

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