デイリー・アップデート

2022年9月6日 (火)

[中国/米国] 中国国内の複数のメディアが、西北工業大学が米国国家安全保障局(NSA)からコンピューターウイルス「トロイの木馬」攻撃を受け、約140ギガバイトの価値の高いデータを盗まれたとして米国を批判する記事を掲載している。2022年6月に同大学が「公式声明」で、国外からサイバー攻撃を受けたことを明らかにし、国家コンピューターウイルス応急処置センターと奇虎360(北京奇虎科技有限公司、中国のインターネットセキュリティ企業)が共同調査を行ったところ、NSAのサイバー戦争情報収集部門であるテーラード・オペレーション(TAO)が攻撃の発信源であったと主張している。

[トルコ] 9月5日、トルコ統計局は8月のインフレ率が前年同期比+80.2%だったと発表した。トルコのインフレ率は、今年5月以降同+70%を超えて高止まりしていたが、+80%を超えたのは1998年9月以来24年ぶり。前月比では+1.5%と緩やかの上昇となった。国際的な商品価格の上昇で、主要諸国では国内のインフレに対応するため利上げが行われているが、エルドアン大統領は来年6月の選挙に向けて経済を停滞させないために、8月には予想外の利下げを実施。リラは$1=18.2リラを割り込んで過去最安値を更新している。

[ミャンマー] 日本の財務省『貿易統計』によると、6月のミャンマーから日本への衣料品の輸出額は前年同月比+37.9%の62億1,244万円と6カ月連続でプラスを維持、6月単月としては過去10年間で最大となった。衣料品は同国の主要輸出品であり主な外貨獲得手段。男性向けではコート類が季節外れにもかかわらず前年と比べ5倍近くの3億4,222万円、主力のスーツ類は同+25.8%の14億5,823万円、シャツ類が同+12.3%の5億1,958万円となった。

[日本] 厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、7月の名目賃金(現金給与総額)は前年比+1.8%となり、7か月連続でプラスだった。基本給(所定内給与)が+1.2%、残業代(所定外給与)が+4.7%、ボーナス等(特別に支払われた給与)が+2.8%とそれぞれ増加した。ただし、実質賃金は▲1.3%と、物価上昇の影響を受けて、4か月連続のマイナスとなった。名目賃金が増える一方で、実質的な購買力が低下している状況が続いている。

[ケニア] 8月9日に実施された大統領選後、僅差で敗れた野党指導者オディンガが選挙結果を不服として訴えを起こしていが、このたびケニアの最高裁が、(当選とされた)ウィリアム・ルトを正式に第5代大統領に認める決定を下したことから、政治的な不安定さが長期化する懸念が薄らいだ。

[ロシア] ロシア政府向けに作成されたある内部文書では、ロシア経済はこれからより長期かつ深刻な景気後退に見舞われる可能性があるとされていることが分かった。当該文書で示された3つのシナリオのうち、2つでは経済縮小が来年に加速し、経済が戦争前の水準に戻るのは早くても2028年、またはそれ以降としている。もっとも悲観的な「ストレス」シナリオではGDPが、2024年に2021年実績を11.9%下回る水準で底打ちし、非常に緩やかに回復に向かうとしている。

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