デイリー・アップデート

2022年9月12日 (月)

[ウクライナ] ウクライナ軍が北東部ハルキウ州で引き続き前進し、ロシア軍はここ1週間弱で複数の主要都市から撤退しつつあるという。ウクライナ軍の司令官は、同国が今月に入ってこれまでに奪還した領土は合計3,000km2余りと推計した。ロシア国防省は9月10日、ハルキウ州内の重要拠点であるイジューム市に展開していたロシア軍部隊を、東部ドネツク州方面に再配置すると発表した。

[ロシア/中国] 9月9日に中国の栗戦書・全国人民代表大会常務委員長が、ロシアのヴャチェスラフ・ヴォロージン下院議長と行った会談における発言が注目を集めている。ロシア側の発表によれば、栗氏はウクライナ問題に関して、「米国とNATOがロシア国境付近で存在を拡大した」と非難し、「我々はロシアがその重要な利益を守るために取ったすべての措置の必要性を十分に理解しており、援助を提供している」と述べた。中国はこれまで、ロシアのウクライナ侵攻に対する評価は避けてきた。まもなくウズベキスタンで実施される中ロ首脳会談における習近平国家主席の発言が注目される。

[マレーシア] 9月8日、中央銀行は政策金利(レポ金利)を年2.25%から、年2.50%に引き上げた。前々回の5月会合に続き3会合連続の利上げ。労働市場が改善しており内需が旺盛であるため、世界経済の減速による金融市場や為替の変動の影響は限定的であり、安定的な成長が見込めるとコメントしている。失業率はコロナ禍でピークだった2020年5月の5.3%から2022年7月には3.7%まで改善している。

[南米] 南米は経済成長において回復力をみせている。インフレ率の世界的な上昇や、先進国の金融引き締めなど財政刺激策の終焉、またパンデミックによるサプライチェーンの混乱など世界の景気後退のリスクが高まっている中でも、南米では2022年については、ブラジル、メキシコ、コロンビア、ペルーなどでGDP成長率予測が上方修正されている。

[中国] ◇干ばつと省内の石炭不足で雲南省の電力需給がひっ迫し、9月10日以降、同省の電解アルミ業界が電力制限モードに入ったことから、生産能力の1/10に相当する約50万トンが影響を受けるもよう。 ◇BYDが上海汽車、長城汽車に続き、タイに進出。同社初の海外の乗用車工場。2024年稼働、主に右ハンドル車を年間15万台製造し、タイ、インドネシア、マレーシアなどで販売する。 ◇リチウムイオン電池メーカーの寧徳時代(CATL)と億緯鋰能(EVE Energy)は、BMW向け車載電池の製造拠点をハンガリー・デブレツェン市と中国(サイト不詳)にそれぞれ1か所ずつ設立予定。

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