デイリー・アップデート

2022年9月20日 (火)

[日本] 総務省『消費者物価指数』によると、8月の消費者物価指数(総合)は前年同月比+3.0%となり、消費税率引き上げの影響を除くと1991年11月以来、30年9か月ぶりの高い伸び率になった。4月以降、+2%超の上昇率が継続している。また、生鮮食品を除く総合は同+2.8%と、これも4月以降+2%超が継続している。物価の内訳をみると、食料や光熱・水道、家具・家事用品などで上昇が目立った。実感に近いとされる持ち家の帰属家賃を除く総合も同+3.5%だった。

[コロンビア] ペトロ新政権の新たな税制改革と燃料補助金の削減などにより、財政再建プロセスの継続が期待されている。経済活動の活発化に伴う輸入拡大により経常収支の改善は遅れているものの、同国への好調なFDI(海外直接投資)が一部相殺しており、資金不足となるリスクも低下しつつある。

[イラン] 9月13日、クルド地域に住むイラン人の22歳の女性が、家族とテヘランを訪問中にイスラム風紀警察に服装をとがめられその後拘留されたが、拘留中に発作を起こして意識不明となり、16日に死亡した。政権寄りのメディアは、彼女が持病持ち(糖尿病やてんかん)であったと報道したが、家族は彼女に持病は無く全くの健康状態だったと反論。同事件を受けて17日以降、風紀警察による厳しい服装の取り締まりに対する抗議デモがイラン各地で発生しており、治安部隊との衝突も報告されている。

[米国] 11月8日に投票が行われる米国中間選挙の投票日まで約1か月半となる中、下院議員選挙では野党・共和党が多数党に復帰する可能性が高いとの見方が有力である一方、上院議員選挙ではペンシルベニア、オハイオ、ウィスコンシン、アリゾナ、ジョージアといった「接戦州」で、トランプ前大統領に近くトランプ氏の推薦を受けた共和党候補が苦戦しており、民主、共和両党の大接戦となっているため、民主党が上院で多数党の立場を維持する可能性も浮上してきている。

[カザフスタン] 中央アジア・カザフスタンの首都の名称が、「ヌルスルタン」から以前の「アスタナ」に戻ることになった。9月17日、トカエフ大統領は首都の名称を元の「アスタナ」に戻すことを定めた法令に署名した。「ヌルスルタン」は、およそ30年にわたって国を率い2019年に辞任したナザルバーエフ前大統領のファーストネームだった。

[中国] 国内で、新型コロナウイルス陽性者の隔離をめぐる事故や政府の不手際に対する批判がSNSで広がっている。貴州省では9月18日、陽性者47名を乗せた隔離移送車(バス)が高速道路で横転し、27名が死亡、20人が負傷した。その2日前(16日)に省都・貴陽市当局は「19日までに市内のゼロクリアを確保する」方針を打ち出していた。本件は貴州省の諶貽琴・党委書記の中央政治局入りに影響する可能性もある。一方、チベット自治区ラサ市当局は、17日、隔離政策をめぐる混乱などについて謝罪した。隔離施設の劣悪な環境や、隔離方法に対して批判が起こっていた。

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