デイリー・アップデート

2022年9月28日 (水)

[サウジアラビア] 9月27日、サルマン国王は内閣改造に関する勅令を出し、自身の息子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MbS)を首相に、またハーリッド副国防相を国防相に任命した。MbSは2017年に皇太子に就任以降、高齢の国王(86歳)に代わって実質的に国政を取り仕切ってきたが、今後は名実ともにサウジ政府のトップとなる。国王はMbSへのスムーズな権限移譲を望んでおり、MbSの異母兄のアブドゥルアジーズ・エネルギー相の留任、MbSの実弟のハーリッド王子の国防相就任など今回の人事はサルマン家の統治強化にもつながる。

[東アジア/大洋州] 世界銀行は、9月26日に発表した「東アジア・太平洋地域 半期経済報告書2022年10月版」の中で、「コロナ禍で低迷していた同地域の大半の途上国は2022年、再び成長軌道に乗ったが、中国経済は厳格なコロナ政策が続く中で失速している」と指摘した。中国の実質経済成長率は、2021年の+8.1%から2022年は+2.8%へと大幅に減速すると予測。地域全体の成長率は、2021年の+7.2%から2022年には+3.2%に減速する一方、2023年には+4.6%に加速すると予測した。

[ブラジル] 9月中旬のIPCA-15インフレ率は前月比▲0.37%となった。前年同月比では+7.96%と5月の+12.20%のピークから4か月連続で低下している。一方でコア指数は依然高止まりしており、中銀がタカ派的な姿勢を継続していることから、当面、政策金利は維持されると考えられる。

[ロシア/ウクライナ] 9月27日、ウクライナ東部、南部の計4地域の親ロシア派勢力は、「ロシアへの編入」を問う「住民投票」の開票を終え、9割超の圧倒的多数がロシア編入に同意したと発表した。この結果を受けて30日以降、ロシアへの併合を進める手続きが始まるとみられる。ウクライナのゼレンスキー大統領は9月27日、国連安全保障理事会の緊急会合でビデオ演説し、「『住民投票』はあからさまな茶番だ」と非難した。

[中国] ◇9月26日、国務院常務会議は、個人年金について、年間1.2万元を限度に税前控除を行い、投資収益は当面非課税とし、受取収入の実質税負担を現行の7.5%から3%に引き下げる優遇政策を本年1月1日に遡及して実施すると決定した。政府は本年4月に個人年金制度の大枠を決定、個人年金の普及を促進するため、優遇税制を制定する予定だった。◇27日付「第一財経」は、低迷していた住宅市場が、複数の機関のデータから、9月中旬以降回復の兆しを示しているとして、北京、上海、深圳、青島、蘇州、揚州、連雲港などでの成約が前月比プラスで推移していると報じた。

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