デイリー・アップデート

2022年9月27日 (火)

[ドイツ] ドイツのIfo経済研究所によると、9月の企業景況感指数(2015年=100)は84.3となり、8月から▲4.3ptと低下を示した。これは、2020年5月以来の低水準であり、市場予想を下回った。Ifoも景況感がかなり悪化したと総括している。足元の状況を表す現況指数、先行きを表す期待指数ともに低下した。また、先行きについて、ドイツ経済が景気後退局面に陥るという見方を示している。

[アフリカ] アフリカでは複数の国が、G20諸国に対して「債務支払猶予イニシアティブ」の延長を求めるなど、債務リスクが継続している。借入コストの上昇などから資本市場へのアクセスも困難となり、インフレの高進は政府の歳出増へとつながり財政リスクも高まっている。二国間融資、国内借り入れによる資金調達にも限界があり、今秋のIMF、世銀の年次総会でのアフリカ諸国の動きに注目が集まる。

[イラン] 22歳のクルド系イラン人女性が、テヘランを訪問中に風紀警察に逮捕された後亡くなった事件に端を発した抗議デモは、イラン各地で発生しこれまで10日間にわたって続いている。デモを封じ込めようとする治安部隊との衝突で、既に41人の死亡と数百人の逮捕が報告されている。デモはイラン国内にとどまらず、米国、英国、フランス、カナダ、トルコなどでも発生し世界的な広がりをみせている。

[米国] 中間選挙キャンペーンではバイデン大統領とトランプ前大統領がそれぞれの政党の候補の支援のために「激戦州」入りして積極的に遊説日程をこなしているが、両者がお互いを厳しく批判する機会も増大しつつある。だが、Washington Post/ABC Newsが9月25日に公表した最新世論調査では両者ともに自らの政党の支持者の間からも次期大統領選挙に向けて熱心な支持を受けていないことが判明している。とりわけ、民主党支持者の56%は、次期大統領選ではバイデン氏以外の候補の擁立を支持すると表明している。

[ミャンマー] 9月20日、計画・財務・工業省中央統計局(CSO)が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+18.2%と、クーデター前の2021年1月以降で伸びが最大となった。一部を除く生鮮食品や輸入燃料の価格上昇が続き家計・企業の大きな負担となっている。ディーゼル(軽油)は、1ガロン(約4.55リットル)あたり9,927.92チャットで前年同月の2.2倍、ガソリンも9,447.76チャットで同2.1倍になった。

[ロシア] 9月26日、ロシア連邦保安局(FSB)は、配布を制限された情報を取得したとして、極東ウラジオストクの日本総領事館の領事を拘束したと発表した。同領事は「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」と宣告された。FSBはスパイ行為を阻止したと主張。同領事が、米欧の対ロシア制裁が極東沿海地方の経済に与えた影響に関する、配布が制限された情報を受け取ったとしている。

[中国] 9月26日付の「財新週刊」によると、広東省発展改革委員会が8月12日から9月7日までの間に、6件の石炭火力発電事業(設備容量合計970万kw)の認可前の公示を行ったという。同省での第13次5か年計画(2016~20年)期間中の同新設設備容量は632万kwだった。長江証券によると、9月7日現在、全国の火力発電事業(ほとんどは石炭)の累計認可設備規模は4,621万kwと2021年通年の認可規模の2倍以上。業界は、2年連続の電力不足が石炭火力解禁という政策転換の直接的な原因であり、2022~24年の間に、全国で毎年8,000万kwの同発電事業が新規に着工されるとみている。

[中国/台湾] ソシエテジェネラル、JPモルガンチェース、UBSグループなどの金融機関が、エクスポージャー管理のため、ここ数か月で危機管理計画の見直しを進めているとブルームバーグが報じている(9月26日付)。ロシアで数十億ドルの損失を出したグローバル金融機関は、台湾をめぐる緊張を受けて、中華圏でビジネスを行うリスクを再評価している。世界の保険会社は、中国や台湾に投資する企業をカバーするための保険契約の締結・更新を控えているが、ロシアのウクライナ侵攻以来、政治リスクの保証費用は60%以上高騰したとしている。

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