デイリー・アップデート

2023年2月1日 (水)

[バングラデシュ/パキスタン] 1月30日、国際通貨基金(IMF)は、バングラデシュへの47億ドルの融資を決定した。期間は42か月、2月中旬より融資を開始する予定。47億ドルのうち、約33億ドルが拡大信用供与措置(EFF)と拡大クレジット・ファシリティ(ECF)向け、約14億ドルが強靭性・持続可能性ファシリティ(RSF)向けの融資となる。RSFを受けるのは、同国がアジア初となる。IMFの使節団は1月31日~2月9日パキスタンを訪問し、支援再開について協議を行っている。2022年11月に予定されていた11億ドルの融資の実行については、まだ承認されていない。

[コンゴ民主共和国(DRC)] 2022年11月より、コンゴ民主共和国(DRC)東部の北キブ州において、政府と反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」間の対立が再び激化していたが、事態はさらに悪化している。欧米は、M23を支援するとされるルワンダ(ルワンダは否定)への支援停止要請を行うも、1月27日にはM23が数日間にわたる激しい戦闘の末、州都ゴマへ通じるルートであり、また地理上、鉱物資源が豊富なワリカレ地域の足がかりとなることから戦略的に重要とされる東部の町キシャンガを占拠し緊張が高まってる。

[ロシア/中国] 1月30日付のタス通信は、ロシア外務省が、プーチン大統領が、習近平国家主席を今春「公式訪問」として招待しており、2023年度の中ロ関係において重要なイベントになると強調していると報じた。ロシア外務省によれば、2022年度の中ロ貿易額は過去最高の1,900億ドルを記録し、中ロの二国間貿易における自国通貨での決済は半分以上を占めるまで倍増しているが、さらにその額を2000億ドルに押し上げるよう努力し、従来、2024年までと設定した目標を2023年中に達成したい、としている。中国政府は習近平訪ロについてまだ何も発表していない。

[ブラジル] ブラジル連邦検察庁は連邦最高裁に対して、1月8日に発生したボルソナロ前大統領支持者による襲撃事件のビデオを、同氏自らがSNS上に投稿したことに対し、同氏を捜査対象とするよう要請していたが、連邦最高裁は同申請を受理した。同氏がブラジルに帰国した場合、取り調べが行われるのは確実とみられる。ボルソナロ氏は米国に今後6か月間滞在可能な観光用ビザの申請を行い、米当局は1月27日にこれを受理した。当面のところボルソナロ氏がブラジルに帰国できない可能性が浮上してきている。

[ユーロ圏] EU統計局(Eurostat)によると、2022年第4四半期のユーロ圏の実質GDP成長率は前期比+0.1%となり、かろうじてプラス成長を維持した。物価高騰や利上げの影響などから、成長ペースは大幅に鈍化した。国別にみると、フランス(同+0.1%)やスペイン(同+0.2%)など、プラス成長になった国があった一方で、ドイツ(同▲0.2%)やイタリア(同▲0.1%)、チェコ(同▲0.3%)、オーストリア(同▲0.7%)など、マイナス成長だった国も多く、欧州経済の停滞感が強まっていた。

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