デイリー・アップデート

2023年2月16日 (木)

[米国] 任期前半2年間の折り返し点を通過したバイデン大統領は2月7日の「一般教書演説」で、過去2年間の経済面、立法面における自らの実績を誇示し、2024年大統領選挙への再出馬を視野に入れた活動を展開している。そうした中、大統領首席補佐官、ホワイトハウス国家経済会議(NEC)議長や米経済諮問委員会(CEA)委員長といった、ホワイトハウス中枢人事の再編に着手している。バイデン再選のための最大のリスクは米国経済の景気後退局面入りであり、中枢人事には相次いでベテランを起用している。

[日本] 財務省『貿易統計』によると、1月の貿易赤字は3兆4,966億円となり、比較可能な1979年以降で最大の赤字となった。輸出は6兆5,512億円、前年同月比+3.5%と増加した一方で、輸出数量指数は▲11.5%と4か月連続で減少した。特に、中国向け輸出数量指数が同▲30.7%とマイナス幅が目立った。他方、輸入は10兆478億円、同+17.8%となり、24か月連続で増加した。輸入数量指数は3か月連続で前年割れとなる同▲2.4%だった。

[南アフリカ] 南アフリカの2022年12月の小売売上高の落ち込み、製造業生産の低迷などの経済指標が、経済低迷の厳しさを増した数字を表しており、経済の弱さが産業部門を超えて広がっていることを示している。深刻な停電が産業全体の活動を大きく鈍らせているが、短期的な改善は難しいことから、当面経済の低迷も続くとみられる。

[中国] 2月15日、武漢や大連で、健康保険給付金の減額に反対する高齢者による街頭抗議デモが発生した。武漢でも2月8日に同様のデモが発生していた。2月1日、武漢市当局は医療保険改革に関する新たな政策を発表し、従業員医療保険「個人支出口座」の資金を外来診療用の医療保険基金に組み入れること、また個人に毎月支給される医薬補助を月260元から80元に減額することなどを発表した。武漢市の政策は、2021年に国務院が定めた医療保険改革政策に沿ったものではあるが、ゼロコロナ政策による地方政府の財政難も影響しているという見方もある。

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