デイリー・アップデート

2023年2月10日 (金)

[インドネシア/中国] インドネシアのスラウェシ州で2021年に操業を開始したフェロニッケル精錬所で、2023年1月に起きた大規模な衝突と暴動で2人のインドネシア人労働者が死亡した件で、インドネシアでの対中感情の悪化が懸念されている。精錬所は2021年末に完成し、中国の江蘇徳龍ニッケル有限公司の子会社であるPT Gunbuster Nickel Industryによって運営されている。操業開始以降、様々な業務上の事故が発生し、労働者が死傷する例もあった。インドネシア人労働者らは経営側に対し、労働環境の改善やストライキを行った理由で解雇された元社員の再雇用などを要求したが、経営陣は要求を一切受け入れていないと回答していた。

[米国] 2023年1月召集の第118議会で、野党・共和党が4年振りに下院の多数党に復帰して通称「分断政治」が出現する中、バイデン大統領は2月7日の「一般教書演説」で、超党派主義に基づき米国が直面する諸課題を解決するよう訴えた。しかし、同演説の翌日、下院監視・説明責任委員会のコマー委員長(共和党)はバイデン大統領の次男や弟らの米国内外でのビジネス取引に、副大統領当時のバイデン氏が関与していなかったかを調査する目的で調査を開始した。

[スウェーデン] リクスバンク(中央銀行)は2月9日、政策金利を0.5%pt引き上げて、3%にすることを決定した。市場では利上げ打ち止め観測があったものの、中銀は今後の追加利上げを示唆した。2022年12月の消費者物価指数は前年同月比+10.2%と2桁台であり、中銀は物価上昇率の高止まりを警戒している。また、4月から保有国債の売却開始を発表した。ただし、金融市場の状況次第で売却額などを変更しうることや、国債以外の資産を売却しない方針など、内容は慎重なものになっている。

[DRC] 東アフリカ共同体(EAC)の首脳が会合を開き、コンゴ民主共和国(DRC)東部の反政府勢力の武力攻勢について協議された。反政府勢力にルワンダが直接支援しているとの疑義があり、DRCとルワンダ間の紛争も招きかねない事態となっているが、これまでの和平プロセスは守られていない。EAC議長のンダイシミエ・ブルンジ大統領は、和平プロセス遵守を監視するための新しい「地域監視メカニズム」を率いるのではないかとの報道がみられる。

[ロシア] 2月9日、ロシア外務省はロシア産天然ガスを欧州に輸出する海底パイプライン「ノルドストリーム」で昨年起きた爆発について、欧州諸国が調査結果を隠ぺいしようとしていると非難した。ペスコフ大統領報道官は「ノルドストリーム」の爆発について、米調査報道記者のシーモア・ハーシュ氏がブログで米政府の関与を示唆したことを受け、真相を解明した上で責任者を罰するべきと述べた。

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