デイリー・アップデート

2023年2月22日 (水)

[アルゼンチン] アルゼンチンは、IMFから新たに50億米ドルの資金の融資を受けるため、2022年第4四半期の財政状況などについてIMFとレビューを実施している。昨年は財政赤字の目標を達成したが、今年は深刻な干ばつにより大豆輸出が低調になると見込まれることや、ウクライナ紛争によるエネルギーコストの上昇もあり、GDP比1.9%以内の財政赤字の目標条件を達成するのは困難とみられている。アルゼンチンは目標条件自体の見直しについても交渉していくとみられる。

[米国] ロシアによるウクライナ侵攻後初めて首都キーウを訪問して米・ウクライナ首脳会談を行ったバイデン大統領は2月21日、ポーランドの首都ワルシャワで、ドゥダ大統領と米・ポーランド首脳会談を実施した。両首脳は対ウクライナ支援の継続やNATO強化について一致。同日、バイデン大統領は演説で、ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年が経過しようとしているが、ウクライナ戦争でロシアが勝利することはないと主張しつつ、ウクライナ支援の継続決意を改めて表明した。

[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)が発表した2023年2月の景気期待指数は28.1となり、1月の16.9から上昇した。5か月連続で上昇しており、今後の回復期待が高まっている。内訳をみると、景気の「改善」が全体の42.1%(前月から+0.5pt)を占めた一方で、景気の「悪化」が14.0%と前月から▲10.7pt減少し、全体の指数を押し上げた。また、足元の状況を表す現況指数は前月から13.5pt上昇したものの、▲45.1にとどまっている。足元の経済環境は依然厳しい一方、先行きの回復期待が高まっている。

[ロシア] 2月21日、プーチン大統領はロシアのウクライナ侵攻1年経過を前に上下両院に対する年次教書演説を行い、米国が履行の義務を果たしていないなどとして、米ロ間の「新戦略兵器削減条約」(新START)の参加停止を表明した。その他、ロシア経済に対する欧米からの制裁の影響は限定的であると述べ、2024年3月に予定されている大統領選挙は「法律に従って厳密に行われる」と強調し、自らの出馬表明も示唆した。

[中国] 2月21日、中国外交部は「グローバル安全保障イニシアティブの概念文書」を発表し、北京で開催したシンポジウムで、秦剛外相が講演を行った。「相互尊重」や「多国間主義」、「互恵協力」など従来の中国外交方針の繰り返しで、新しい点はみられなかったが、ウクライナ戦争開始から1年を迎えるタイミングでの発表は、「中国は世界平和に貢献する国である」という印象を与えると同時に、中国がロシア寄りだとする欧米からの非難や失望に対抗する意図があるとみられる。

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