デイリー・アップデート

2023年2月27日 (月)

[米国] 商務省によると、1月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+5.4%となり、2022年12月の+5.3%から伸び率を拡大させた。エネルギー価格は+9.6%と12月からやや拡大したものの、2か月連続で10%を下回った一方で、サービス価格が+5.7%と12月の+5.4%から拡大した。食料品とエネルギーを除く、いわゆるコア指数は+4.7%であり、12月から小幅拡大した。また、PCE物価指数は前月比で+0.6%となり、12月の+0.2%から加速し、物価上昇圧力の根強さを示した。

[ブラジル] 2023年2月中旬のインフレ率(IPCA15)は前月比+0.76%となり、1月の+0.55%から上昇した。年間インフレ率は前月の5.87%から5.63%に下がったが、労働市場が依然として引き締まっており、労働集約サービスのインフレ率が高かった。政府は2月28日までに、エネルギー減税の延長の是非を判断することになっている。

[シリア] 2月26日、イラクやエジプト、ヨルダン、リビアなど周辺アラブ諸国の国会議長がシリアを訪問し、アサド大統領との会談を実施した。シリアのアサド政権は、2011年に同国内で発生した「アラブの春」デモに対する厳しい弾圧を理由にアラブ連盟から同連盟への参加資格を停止された状態となっているが、2月6日に発生した大地震後にはシリアに対する支援や連帯の表明が相次いでいる。27日には、エジプトの外相として2011年以降初めて、シュクリ外相がシリアを訪問する予定。

[米国] バイデン大統領は、2月20日にウクライナの首都キーウを電撃訪問した際に公表した声明の中で、対ウクライナ追加軍事支援の実施とともに、対ロシア追加制裁措置も発動する方針を明らかにした。ロシアによるウクライナ侵攻から1周年となる2月24日に、ロシアによる武器調達を阻止するための制裁逃れに関与しつつ、ロシア軍やロシアの防衛産業を支援しているとの理由で、G7と協調して合計86社の外国籍企業を米国の制裁リストに追加するなどの追加制裁を発動した。

[マレーシア] 2月24日、2022年11月の総選挙で当選したアンワル・イブラヒム首相兼財務相は2023年度修正予算案を発表した。歳出額は2022年度予算案の3,952億リンギを下回り、3,861億4,000万リンギ(約11兆8,820億円)とし、前政権が2022年10月に発表した同年度の予算案から+3.7%となった。中低所得層を対象とした支援策のほか、ぜいたく品への課税強化などが盛り込まれている。

[ロシア] ウクライナ侵略開始から1年となった2月24日、ロシアの独立系人権団体によると少なくとも国内14都市で反戦行動があり、一時的なものを含め50人以上が拘束された。デモはいずれも小規模で、プーチン政権の言論統制と弾圧により反戦の機運は1年間で大きくしぼんだ。

[中国] 2月23日付のWSJ紙が、まだ変更の可能性はあるとしつつ、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁の後任に、中信(CITIC)集団会長の朱鶴新氏の起用を検討していると報じた。また、人民銀行の共産党委員会書記には、劉鶴副首相の後任とみられている何立峰・国家発展改革委員主任が就任する見込みとしており、現実になれば、中央銀行の独立性がさらに低下すると見られる。また同紙は中央金融工作委員会(1998~2003年)の復活も計画されているとしており、政府機関や金融機関に対する党の管理を強化する動きの一貫とみられる。

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