デイリー・アップデート

2023年2月20日 (月)

[トルコ/シリア] 2月6日に発生した大地震の死者数が、トルコ・シリア両国合わせて46,000人を超えた。不明者も多く存在し、今後さらに死者数は伸びると思われる。トルコの災害緊急事態対策庁は、2県を除いて生存者の捜索活動を終了すると発表。今後は復興支援にフェーズが移っていく。2月19日には米国のブリンケン国務長官が被災地を訪問し、1億ドルの追加支援を発表した。同長官は今回が就任後初のトルコ訪問となった。20日にはエルドアン大統領とも会談予定で、北欧2か国のNATO加盟問題についても協議が行われる見通し。

[ブラジル] 1月8日に首都ブラジリアで発生した、ボルソナロ前大統領の支持者ら約4,000人が、大統領府や連邦議会、連邦最高裁判所を次々に襲撃、占拠して一部を破壊した事件について、ディノ法相は、クーデターの企てであったとの認識を示し、ブラジル国内の政治的緊張を和らげる目的で恩赦を行う可能性を否定した上で、今後極右の過激主義に対しては厳しい姿勢で臨む方針も同時に表明した。

[タイ] 2月19日、国家経済社会開発委員会(NESDC)が発表した2022年通年の実質GDP成長率は、前年比+2.6%となり、他のアセアン諸国と比較し低水準だった。観光が急回復している一方、欧米向けを中心に外需が振るわなかった。第4四半期の実質GDP成長率は、前年同期比では+1.4%、前期比では▲1.5%だった。アジア開発銀行(ADB)の2023年の実質GDP成長率の見通しでは、ベトナムが+6.3%、フィリピンが+6.0%で最も伸び幅が大きく、タイは+4.0%となっている。

[ガーナ] ガーナでは、2026年に満期予定のドル債クーポン4,060万ドルの支払猶予期間が2月24日(今週金曜日)で終了することで、デフォルトに陥るのが確実とみられている。すでに昨年12月には、対外債務の大半の支払いを一方的に停止すると宣言しており、「事実上の」デフォルトとみなされていた。ガーナはIMFから30億ドルの融資を獲得するために、国内外の債務約300億ドルの再編を目指している。

[中国/ロシア] 中ロ政府は、3年間停止していた双方へのビザなしの団体旅行を解禁した。ロシア経済発展省と外務省がロシア側からの解禁につき発表したが、中国人の旅行者に対して団体旅行を解禁することにより、中国からのインバウンド需要の回復を期待しているもよう。2020年以前には、中国は数年連続でロシアへの観光目的の入国者が最も多い国となっており、とりわけ2019年には140万人を記録していた。

[米国/中国] 2月17~19日までドイツで開催された「ミュンヘン安全保障会議」に参加した中国の王毅政治局員は、米国が中国の気球を撃ち落としたことなどの対中政策を批判した。またブリンケン米国務長官と対談を行った際も気球撃墜を「武力の乱用」と述べている。これに対しブリンケン氏は「(気球飛行は)主権侵害」だとして相互に批判を行った。ブリンケン氏は加えて、中国の対ロシアへの「殺傷力のある(軍事)支援につながる支援」に警告を行った。本対談が米中関係の打開につながることはなかったが、バイデン大統領と習近平国家主席の会談についても話し合われたのではないかと見られている。

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