デイリー・アップデート

2023年2月8日 (水)

[日本] 財務省・日本銀行「国際収支統計」によると、12月の経常収支は334億円となり、2か月連続の経常黒字だった。貿易収支が▲1兆2,256億円、サービス収支が▲3,547億円とそれぞれ赤字だった。一方で、第一次所得収支が1兆7,952億円と黒字で全体を押し上げた。2022年通年では、貿易赤字が過去最高の15兆7,808億円となったこともあり、経常収支は11兆4,432億円と、前年から▲47%と大幅に減少、2014年以来の低水準になった。

[ブラジル] ルラ大統領は、ブラジル開発銀行(BNDES)の役割を再び拡大させようとしている。ルラ大統領の前政権時には、BNDESが割安な利率で貸出していたことから、信用供与が大幅に増加していた。ルラ政権下の現在は市場金利の利率に戻っているが、再び割安レートでの貸出を行うとなると、中銀による引き締め方針に逆行し、インフレを助長するなどの問題も出てくると考えられる。

[米国] 2月8日、バイデン大統領は米議会上下両院合同本会議で、今後1年間の内政、外交の施政方針を盛り込んだ「一般教書演説」を行った。2022年中間選挙での下院議員選挙で野党・共和党が勝利したために、1月に召集された第118議会は「分断政治(ねじれ)」が出現したが、バイデン大統領は、第117議会の2年間で300本以上の超党派法案に署名したように、米国が直面する諸課題の解決に超党派で取り組むよう要請した。

[フィリピン] 1月27日、マルコス大統領は「フィリピン開発計画2023-2028」を承認する大統領令第14号への署名を行った。同計画は、2040年までの長期ビジョンである「Ambisyon Natin 2040」を基に作成されている。同計画の実施により2024~28年は年間のGDP成長率を6.5~8.0%(22年7.6%)、失業率を2028年までに4.0~5.0%(22年11月4.2%)とすることを目指す。インフラ開発などではPPP(官民パートナーシップ)を重視する。

[ロシア] 2月7日、ラブロフ外相は、先月に続いてアフリカ諸国の歴訪を開始した。初訪問となる西アフリカのマリを始め、続けてスーダン、モーリタニアを訪問する予定。途上国との連携を強化し、ウクライナに対する軍事支援を強める欧米側に対抗するためにも、外交の活発化を図る目的とみられる。

[中国] 2月7日、中国の検索エンジン事業者バイドゥが、「ChatGPT」と同様の機能を持つというチャットボット「ERNIE Bot(文心一言)」の社内テストを3月までに完了し、一般提供する計画を公表したところ、同日、同社の株価は急騰した。2023年に入ってから香港市場でのアリババやテンセントの株価上昇率はおよそ20%であるのに対し、今回バイドゥの株は45%上昇した。「財新」によれば、バイドゥに限らず、中国の人工知能(AI)視覚、音声認識、自然言語理解関連企業の株価が1月末から大幅に上昇している。

[トルコ/シリア] 2月6日未明(現地時間)にシリア国境に近いトルコ南部で発生した大地震の死者数が、2月8日朝の時点でトルコ・シリア両国合わせて7,800人を超えたと報じられている。夜は氷点下になる寒空の中、がれきの下敷きとなっている被害者も多いと推察され、今後死者数はさらに増えるとみられる。エルドアン大統領は、2月12日まで7日間の服喪と、震源に近いトルコ南部10県における3か月間の非常事態宣言を発表した。70か国以上がトルコへの支援を申し出て、既に現場にも各国のレスキュー隊などが入って生存者の捜索や救援活動を行っている。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

20人が「いいね!」と言っています。
<  2023年2月  >
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28