デイリー・アップデート

2023年2月14日 (火)

[米国] 政治資金調達面などで共和党を支援する2つの有力保守系政治団体が、2024年共和党大統領候補指名獲得争いにおけるトランプ前大統領への支援を見送り、他の有力政治家を支援する方針を2月に入ってから決定した。減税の推進や「小さな政府」の実現を目標として活動してきた「成長クラブ(Club for Growth)」は、3月にフロリダ州で開催する年次会合にトランプ氏を招かない方針を決定したほか、「繁栄のための米国民(AFP)」も2月初旬にトランプ氏を支援しない方針を表明している。

[マレーシア] 2月10日、中央銀行は2022年の実質GDP成長率が前年比+8.7%だったと発表した。2000年以降22年ぶりの高水準となり、伸びはASEAN諸国の中で最も高かった。同日発表された2022年第4四半期では、前年同期比+7.0%だった。同第3四半期の+14.2%は下回ったものの、消費、投資、輸出が好調を維持し堅調だった。第4四半期の伸びが第3四半期の半分にまで落ち込んだのは、新型コロナウイルス感染症対策向けの景気刺激策の終了や、2021年第3四半期のGDP成長率がマイナスだった反動により2022年第3四半期は2桁台となっていたことなどが原因と考えられる。

[日本] 内閣府によると、日本の2022年第4四半期の実質GDP成長率は前期比+0.2%(年率換算+0.6%)と、2四半期ぶりのプラスだった。内訳をみると、内需が▲0.2pt、外需が+0.3ptと外需主導の成長だった。内需では個人消費が増加した一方で、企業設備投資が減少した。また、在庫の減少がGDPを押し下げた。外需では輸出が伸びた半面、前期に急増したサービス輸入の反動減によって、GDPが押し上げられた。GDPの見た目と実感に乖離が生じている。

[モルドバ] 2月13日、旧ソ連構成国モルドバのサンドゥ大統領は記者会見し、隣国ウクライナから「ロシアによるモルドバ破壊工作」の情報提供があったと発表した。情報が信頼できるとすれば、ロシアがモルドバ国内で、政府の建物を攻撃したり人質を取ったりすることを含め、クーデターを計画しているという。モルドバでは2月10日、親欧米派のガブリリツァ首相が辞任している。

[中国/英国] 中国新疆ウイグル自治区のエルキン・トゥニヤズ主席(同自治区ナンバー2)が今週英国を訪問し、その後パリやブリュッセルにも立ち寄る予定と報道され、欧州の議員や人権団体から批判の声が上がっている。同氏は米国の制裁対象となっており、米国への入国は禁止されている。英外務省の関係者は、同省は非常に慎重にトゥニヤズ氏との面会に同意したが、大臣や副大臣が迎えることはなく、会うのは一部の外交官だけだと釈明した。トゥニヤズ氏は新疆ウイグル自治区への投資呼び込みのため訪欧しているとされている。

[トルコ/シリア] 2月6日にトルコ南部で発生した大地震の犠牲者数が、トルコ・シリア両国で37,000人を超えた。トルコだけで31,643人の犠牲者が出ており、1939年のエルジンジャン地震による犠牲者数を超え、トルコ近代史上最悪の大震災となった。地震発生から1週間が過ぎた今も、依然奇跡的な救出劇はあるものの、今後は人命救助などの緊急対応から避難所や食料、教育、精神的ケアの提供などの被災者支援へとフェーズが移ることになる。トルコの非政府組織による試算では、今回の地震による被害総額は840億ドルを超える。

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