2023年9月20日 (水)
[米国/ウクライナ] 9月19日、国連総会一般討論演説で、バイデン大統領とゼレンスキー大統領は、それぞれウクライナ侵攻を続けるロシアに対峙すべく国際社会が団結する必要性を訴えた。バイデン大統領は、9月21日にゼレンスキー大統領をホワイトハウスに招き首脳会談を行うことにしており、長距離地対地ミサイル「ATACMS」供与を決断するのかが注目される。ゼレンスキー大統領はワシントンで、米議会の与野党幹部らとも協議し、対ウクライナ支援継続を直接要請する方針。
[ミャンマー] 9月5日、世界銀行は、電力セクターの課題に関する報告書「In the Dark: Power Sector Challenges in Myanmar」を発表した。この報告書では、同国が政治的混乱により電力不足に陥っていることを明らかにしている。2021年の政変以降、急速に供給が減り、国全体で長期間停電が続くことにより、電力需給ギャップが日増しに拡大している。紛争による影響は、送電システム全体の安定性にも影響を及ぼしている。また、国軍による政変を発端とし、全国で電気料金の支払いボイコットが生じ、未払いの電力収益の割合は、2021年11月には45%に達している。
[日本] 財務省「貿易統計」によると、8月の輸出額は7兆9,943億円となり、前年同月比▲0.8%と2か月連続で減少した。自動車などが増加したものの、鉱物性燃料や半導体等製造装置などの減少によって、輸出額が減少した。また、輸出数量は11か月連続のマイナスの▲5.8%だった。輸入額は▲17.8%の8兆9,248億円、5か月連続で減少した。貿易収支は▲9,305億円の赤字で、赤字額は▲66.7%と大幅に減少した。
[米国] 9月18日、米通商代表部(USTR)と商務省は、10月16日、タイのバンコクにて開催されたインド太平洋枠組み(IPEF)交渉会合について声明を発表した。交渉の進捗状況について具体的な開示はなく、3分野(貿易、クリーン経済、公正な経済)について引き続き協議を進め、米議会関係者との情報共有を怠らないとの意思表明があったのみ。農業貿易に関しては実質妥結が近いとの報道もあるが、IPEFでは市場アクセス交渉は含まれないため、あくまで非関税障壁の削減・撤廃にとどまる。次回の第6回IPEF交渉会合はマレーシアにて10月に開催される予定となっている。
[アルメニア/アゼルバイジャン] 9月19日、アゼルバイジャン国防省は、係争地のナゴルノカラバフ地域で同国軍が「局地的な対テロ作戦」を始めたと発表した。同省は声明で「アルメニア軍の武装を解除し、アゼルバイジャンの領土から撤退させ、軍事インフラを無力化する」と表明した。ナゴルノカラバフの分離主義当局(アルメニア側)によると、アゼルバイジャンでの軍事行動により、民間人2人を含む25人が死亡、138人が負傷した。
[中国/米国/EU] 9月19日、在上海米国商工会議所は「2023年版・中国のビジネスレポート」を発表した。同会議所が6月に300余りの会員企業を対象にした調査によれば、今後5年間の業績見通しについて楽観視しているとの回答は52%で、1999年の調査開始以降、最も低い数字となった。回答者の22%が2022年よりも対中投資を減少させるとしたが、その理由として、中国経済の成長鈍化と並び、米中関係の不確実性が挙げられた。在中国EU商工会議所も9月20日にポジション・ペーパーを発表したが、中国内で国家安全保障に焦点を当てた法律が次々と発表され、両国関係の不確実性が深まっていることに懸念を表明している。
[中国] 9月19日、湖北省武漢市は、7年間続いてきた住宅購入規制を廃止するとした。2016年9月に始まった規制は、60以上の都市で実施されてきたが、2021年下半期から住宅市場は低迷を続けている。2023年8月、住宅都市農村建設部などが購入戸数の認定基準を緩和するとし、1軒目の購入と認定する範囲を広げる政策を各都市で実施するよう促した結果、多くの都市で購入物件数を制限しないような全面的な廃止および緩和を行い、9月1日から19日までの間に、大連、南京、西安など11都市で規制が全面的に廃止された。
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