2023年9月21日 (木)
[南アフリカ] 南アフリカの8月のインフレ率が、前年同月比+4.8%と7月の前年同月比+4.7%から小幅に上昇した。インフレ率が、準備銀行が設定した3~6%の目標レンジ内に収まっていることと、7月の経済活動のデータが低調だったこと、また、ここ数週間に渡り電力供給停止が深刻化していることなどから、今後の政策金利は据え置きとなる可能性がある。
[シリア/中国] シリアのアサド大統領夫妻は9月21日から、中国の習近平国家主席の招待で、経済代表団を伴って中国を訪問すると大統領府が発表した。代表団にはミクダード外相、ハリル経済・対外貿易相、アッザーム大統領府担当相、シャアバン大統領顧問が含まれていると報じられている。また、アサド氏は9月23日に杭州で開催されるアジア競技大会の開会式にも出席する予定。アサド氏の中国訪問は2004年以来で、2011年のシリア内戦勃発以降の外遊では、ロシア、イラン、UAE、オマーン、サウジアラビアに続き6か国目となる。
[米国/イラン] バイデン政権とイラン政府は、カタールやオマーンでの緊張緩和などを目指して間接協議を継続してきた中、両国は、米国が拘束しているイラン人の人質5人を釈放した場合、イランが拘束している米国人の人質5人を釈放し、また、韓国内で凍結されているイランの原油資金60億米ドルの解除することを条件に、8月中旬に合意に達した。同合意を受け、イランに釈放された米国人の人質らは帰国の途についたが、野党・共和党は、バイデン政権のイランとの人質交換合意について批判を行っている。
[アジア太平洋] 9月20日、アジア開発銀行(ADB)は、「アジア経済見通し2023年9月(ADO)」を発表し、先行きに対するリスクは高まっているが堅調に推移するとの見通しを示した。2023年の同地域の発展途上国における経済成長率の見通しを+4.7%とし、前回時点の+4.8%から0.1ポイント下方修正した。2024年は+4.8%とし、前回見通しを据え置いた。同地域の2023年上半期の成長は、世界的な経済減速で輸出が減少したにもかかわらず、各国の好調な内需にけん引されて上向きだった。インフレについては、ほとんどの国で2022年をピークに低下している。
[米国] 連邦準備理事会(FRB)は9月20日まで連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利(FF金利)の誘導目標レンジを5.25~5.5%に据え置くことを決定した。据え置きは2会合ぶり。パウエルFRB議長は、慎重に政策を進める姿勢を示した一方で、必要であれば追加利上げの用意があることも明らかにした。FOMC参加者の経済見通しによると、2023年内にあと2回の利上げが行われる可能性がある。
[アルメニア/アゼルバイジャン] 9月20日、アゼルバイジャン国防省は、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフで9月19日に開始した軍事行動を、現地時間の20日午後1時(日本時間午後6時)から停止することで、ナゴルノカラバフ側と合意したと発表した。ナゴルノカラバフのアルメニア系勢力が事実上降伏した形である。ナゴルノカラバフ側がアルメニア軍撤退や武装組織の解体などを受け入れたとしている。
[中国/英国] 9月19日、英シェル(Shell plc)にとって世界最大となるEV充電ステーションが、深セン市にグランドオープンした。258台の急速充電器が設置されており、プレオープン期間中には毎日3,000台以上の電気自動車が充電された。シェルとBYD(比亜迪)が共同で設立した合弁会社である深センシェルBYD電気自動車投資有限公司(深セン牌比亜迪電動汽車投資有限公司)が運営する。2022年4月、シェルはBYDと戦略的提携を締結し、充電器1.3万台を保有するEV充電ステーションを運営している。
[米国] 9月19日、バイデン大統領は国連総会にて一般討論演説を行った。国際社会は、世界史における転換点を迎えているとの認識を披歴した上で、国際紛争、気候変動、貧困といった国際課題を解決するために国連安保理を含む国際機構の改革、強化を訴え、日米豪印などの枠組みも挙げて、米国が新たな有志連合も活用した国際秩序維持に臨む姿勢を明らかにした。一連の外交活動で特定国の疎外を企図するものではないが、普遍的な人権の擁護、国家主権の尊重といった原則は譲ることができないと述べ、中国、ロシアを牽制した。
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