デイリー・アップデート

2023年9月27日 (水)

[サウジ/イスラエル/パレスチナ] 9月26日、駐ヨルダン・サウジアラビア大使で、先月駐パレスチナ大使の兼務も発表されたアル・スダイリ氏が、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のラマッラーを訪問し、アッバース大統領に信任状を奉呈した。サウジ政府が駐パレスチナ大使を任命したのは初めてで、パレスチナ外務省は「歴史的転換点」と発表。サウジは現在、米国の仲介でイスラエルと国交正常化についての交渉を進めており、パレスチナに対しても置き去りにはしないとの意思表明とみられる。

[アルゼンチン] 9月24日、メンドーサ州の知事選が実施され、最大野党連合「変革のために共に(JxC)」の現職が再選を果たし、知事選ではJxCが三連勝となった。JxCの大統領候補のブルリッチ元治安相は、メンドーサ州知事選での勝利を追い風に大統領選挙へ弾みをつけたいところだが、10月22日に投票が行われる第1回投票を前に、ミレイ下院議員やマサ経済相ら他候補に後塵を拝している。

[中国/アルゼンチン] 世界的に電気自動車(EV)の需要が急増している中、アルゼンチンはリチウム生産とリチウムイオン電池開発のフロンティアとしてその発展が期待されている。欧米を始めとする多くの企業が、同国のリチウム市場に足を踏み入れている中、中国企業の進出とその活動は特に目立っている。アルゼンチンでのリチウム関連プロジェクトのうち、約4割近くが中国企業によるものである。中国のリチウムイオン電池製造大手の国軒高科は、包括的なリチウムイオン電池のサプライチェーンの構築、中国の自動車メーカーである奇瑞汽車は、2030年までに10万台のEVの製造を計画している。

[日本] 9月の「月例経済報告」によると、国内景気は「緩やかに回復している」と評価された。同じ表現が5月以降続いている。個別の項目をみると、企業収益は「総じてみれば改善している」に上方修正された一方で、住宅投資は「このところ弱含んでいる」に下方修正された。ただし、個人消費や設備投資は「持ち直している」と据え置かれており、全体としてはおおむね前月と同じような景気の状態だったようだ。

[中国/EU] EU欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は、5日間の訪中期間で、中国EU経済貿易ハイレベル会合に参加したほか、訪問した各所で中国における欧州企業の市場アクセスやビジネス環境についての懸念を表明した。ドムブロフスキス氏は、中国製EVへの政府補助金に対するEUによる調査について、すべての会合で中国側から不満と懸念が聞かれたとしつつ、調査を正当化する「十分な証拠」があると述べた。また中国ブランドでなくとも政府から補助金を受けている場合は調査の対象になるとしている。医療分野や鉄道分野などのアクセス障壁も、EUでは問題視されている。

[米国/中国] 9月25日、フォード (Ford Motor Company)は、米ミシガン州で建設中の電池工場の建設を一時中断すると発表した。この電池工場の投資計画については最終決定しておらず、競争力のある工場運営ができると確信するまで建設を中断し、支出を制限すると説明したが、建設中断の理由には言及しなかった。2023年2月、フォードは、約40万台のEVに電池を供給する電池工場を建設し、CATL(寧徳時代新能源科技)の特許技術を使用すると発表していた。

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