デイリー・アップデート

2023年10月4日 (水)

[米国] 労働省『雇用動態調査(JOLTS)』によると、8月の求人件数は961万件と、7月から69万件増加した。増加は3か月ぶり。求人件数が1,000万件超を記録した2022年に比べれば、ここ4か月は連続で1,000万件を下回っているものの、8月分は市場予想を上回り、労働需要の堅調さを改めて示した。採用件数も585.7万件となり、7月から3.5万件増加した。雇用環境の底堅さから、追加利上げ観測も強まったもよう。

[中国] 10月2日、世界銀行は、中国の2024年の実質GDP成長率を4月時点の+4.8%から+4.4%に下方修正した。この背景には、巨額の債務を抱える不動産部門の不振や、企業・地方政府の負債増加が影響している。中国の過去の成長はインフラと不動産投資に支えられてきたが、足元ではコロナ禍後の経済回復が減速し、インフラ投資の効果が低下、住宅市場では供給過多となり価格が下落している。不動産市場の回復が見られなければ、消費や企業活動に大きな影響が出る可能性がある。2023年の中国の実質GDP成長率は、+5.1%と予測されている。

[エジプト] 10月2日、シシ大統領(68歳)が、2023年12月に実施されるエジプト大統領選挙に、再選を賭けて立候補することを表明した。同氏は2014年と2018年の2度の大統領選挙で、それぞれ97%近い得票率で当選しており、今回再選すれば3期目となる。任期は6年。エジプトでは過去1年半で通貨価値が半減し、2023年2月以降前年比30%を超えるインフレが続いている。外貨不足も深刻で、IMFからの支援を得るために今後さらなる経済改革を強いられていることから、大統領選挙が当初予定よりも前倒しで実施されることになったとみられている。

[米国/ケニア] 10月3日、米通商代表部は、ケニアとの戦略的貿易・投資パートナシップ(STIP)の第2回交渉会合を、10月4日よりワシントンにて開催すると発表した。今回の交渉会合では、農業、汚職対策、包摂性、国内サービス産業規制の4分野を扱う。STIPではこのほかにデジタル貿易や中小企業支援なども取り上げる予定。トランプ前政権は、ケニアとの自由貿易交渉を開始したが結実せず、バイデン政権は2022年7月にSTIPを立ち上げた。しかし、市場アクセス分野は交渉の対象外で、インド太平洋経済枠組み(IPEF)等と類似のアプローチとなっている。

[米国] 10月2日、超保守派共和党下院議員のマット・ゲーツ氏は、ケビン・マッカーシー下院議長の解任を求める動議を提出していたところ、10月3日に下院本会議で採決が行われ、賛成216票、反対210票の賛成多数で可決され、米国史上初めて下院議長が解任される事態となり、米議会はますます混迷を深めている。マッカーシー氏に猛反発していた超保守派下院議員8人が民主党下院議員208人に同調し、下院議長解任動議が可決された。

[中国] 寧徳時代(CATL)の子会社、成都市新津時代新能源科技が、認証機関SGSよりカーボンニュートラルに関するPAS2060認証を取得し、CATLグループとして4か所目のゼロカーボン工場となった。新津時代は四川省成都市天府スマート製造産業パークに2021年2月に設立され、リチウムイオン電池を生産している。CATLは、2025年に中核事業において、さらに2035年にすべての事業においてカーボンニュートラルを実現することを宣言しており、今回の認証取得によりその目標に一歩近づいたことになる。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

21人が「いいね!」と言っています。