デイリー・アップデート

2023年10月16日 (月)

[マレーシア] 10月13日、アンワル・イブラヒム首相兼財務相は、2024年度国家予算案を発表した。歳出額は3,938億リンギ(約12兆4,560億円)と過去最大となったが、2023年の歳出実績見込み(推計3,971億4,000万リンギ)を下回る見込み。2023年9月に発表した2030年までの産業政策「新産業マスタープラン(NIMP)2030」の実施には、2億リンギを充当するもよう。歳入については、2018年に廃止された消費税(GST)の再導入は見送りになったが、サービス税の税率が現行の6%から8%に引き上げられた。財政赤字はGDP比で4.3%に設定しており、2023年の5.0%から改善する見込み。

[イスラエル/パレスチナ] イスラエル軍は予備役も含む36万人の兵をガザ周辺に集め、ハマスせん滅作戦実施のためガザへの地上侵攻の準備を進めている。同軍はガザ北部の住民110万人に対し、安全のためガザ南部へ移動するよう警告を発した。なお米国は、ガザの住民をガザ南部の国境からエジプトへ入国させて保護する提案をしたが、エジプト政府は大量の難民受け入れを懸念し応諾せず。ブリンケン米国務長官は、アラブ諸国6か国を訪問し各首脳との会談を実施して、10月16日に再度イスラエルを訪問する予定。

[米国] 共和党の下院議長候補に選出されていたスカリス下院院内総務が、下院本会議での下院議長選挙で選出に必要な支持を固める見通しが立たない中、10月12日に下院議長候補を辞退した。10月13日、共和党下院議員総会が開催され、スカリス氏に敗北したジョーダン下院司法委員長が下院議長候補に選出されたが、穏健派共和党下院議員らが超保守派のジョーダン氏の下院議長就任に反対しており、ジョーダン氏の下院議長選出はかなり不透明な情勢となっている。

[ロシア/中国] 10月17日から開催される「一帯一路」の国際会議に合わせて中国を訪問する予定のプーチン大統領は、中国国営メディアのインタビューに応じ、「一帯一路」構想を称賛し、習近平国家主席を「信頼できるパートナー」と称えた。今回プーチン氏が訪中すれば、2022年2月の北京冬季五輪時の訪問以来で、同2月下旬に勃発したウクライナ侵攻後では初となる。

[中国/米国] Sinopec(中国石油化工)が、米国のLNG輸出企業であるVenture Global LNG Inc.を対象とした仲裁申し立てを検討している。10月13日、Sinopec関係者により明らかになった。Venture Globalが設備の問題で取り決めた時期に引き渡しができないとしながら、現物市場でLNGを販売していることに起因している。2021年11月、両社は、米中間が締結したLNGの契約として過去最大規模となる期間20年、年間400万トンのLNG長期契約を締結していた。Shell、BP、Repsolなども契約通りにVenture Globalから供給されず、仲裁を申し立てている。

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