デイリー・アップデート

2023年10月27日 (金)

[米国] 新たに下院議長に選出されたジョンソン氏(共和党)は就任翌日の10月26日、ホワイトハウスを訪れてバイデン大統領と就任後初の会談を行った。この会談では、バイデン政権が10月20日にホワイトハウスから米国民向けに行った演説の中で米議会に要求したイスラエル、ウクライナ、台湾に対する総額約1,050億ドルの追加軍事予算について主に議論された。下院民主党トップのジェフリーズ民主党下院院内総務も同席した同会談について、ジョンソン氏は会談後、生産的であったと述べた。

[ユーロ圏] 欧州中央銀行(ECB)は、2022年7月から2023年9月まで10会合連続で利上げを実施していた(累計4.5%分)が、10月26日理事会を開催し、政策金利を据え置くことを決定した。主要政策金利は4.5%、中銀預金金利は4.0%、限界貸出金利は4.75%に据え置かれる。9月の消費者物価上昇率は前年同月比+4.3%となり、5か月連続で上昇率を縮小させていた。ただし、当面物価上昇率が高いままと予想されるため、政策金利を十分に長い間、制約的な水準にとどめる方針が示された。

[中東/中国/国連] 10月25日、米国は国連安全保障理事会に、イスラエルによるガザへの攻撃について、人道的一時停止を求める決議案を提出したが、中国とロシアは拒否権を行使した。中国の張軍国連大使は、草案は停戦を要求しておらず、イスラエル軍がガザ北部から100万人以上に避難を命じていること、ガザ危機の根本的原因に言及していないと批判した。拒否権行使を説明する声明で、中国は「全世界、特にアラブ諸国の強い訴えに基づく」行動だとしている。決議案には10か国が賛成し、中国、ロシア、UAEが反対、2か国が棄権した。

[米国] 10月25日、全米自動車労組(UAW)とフォード社は、労使交渉において暫定合意に達した。UAWはフォード社の組合員に対して職場復帰を指示、6週間に及んだストライキが終了する見込み。新たな労働協約は、契約期間4.5年の間に25%の賃上げ実施などが盛り込まれており、組み立て作業に従事する労働者の時給32ドルが40ドルにまで上がるといわれている。今後、組合員が合意内容を承認すれば正式に発効する。UAWとGM社、ステランティス社との交渉への影響が注視される。

[ロシア] 10月26日、ロシア外務省報道官は、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの代表団が、現在モスクワを訪問していると明らかにした。外務省によると、ガザ地区にいる外国人の人質の即時解放について話し合われたという。イスラエル外務省は「恥ずべき行為だ」と、即座にロシア側の対応を批判した。10月26日にはイランのアリ・バゲリ・カーニ外務次官もモスクワを訪問し、ロシアのガルージン外務次官と会談した。

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