2023年10月23日 (月)
[マレーシア] 10月20日、統計局は第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+3.3%だったと発表した。特にサービス業が+5.1%となり全体をけん引し、前期(+2.9%)から加速した。建設業は+5.8%(前期+6.2%)とやや減速したものの堅調に推移した。一方、製造業は▲0.1%となり、前期の+0.1%からマイナス成長となった。製造業は世界的な需要の低下による影響を受けている。今回発表された第3四半期の統計値は、初めて公表された先行推計で、四半期の最初の2か月間の月次データを使用して算出されたものだが、11月17日に発表される予定の最終データで、大きな修正が入る可能性がある。
[イスラエル/パレスチナ] 10月7日以降のイスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスとの紛争は続いており、過去16日間のイスラエル軍によるガザ空爆による死者数は4,650人を超えた。同期間のイスラエル側の死者数は1,405人。また、イスラエル領内から200人以上が今も人質としてガザに囚われているが、10月20日、2人の米国人(母と娘)がカタールの仲介によって解放された。イスラエル軍によるガザ地上侵攻はまだ始まっていない。なお、ヨルダン川西岸でもイスラエルの治安部隊とパレスチナ人の衝突が激化しており、93人のパレスチナ人が死亡、1,130人以上のパレスチナ人がイスラエル軍に拘束された。
[米国/EU] 10月20日、米国・EU首脳会談がワシントンDCにて開催された。通商拡大法232条に基づき、米国が鉄鋼・アルミ輸入に対して追加関税を賦課した問題について、2021年以来、米・EU間で2年間の期限付きで交渉を進めてきたが、当会談では決着しなかった。今後2か月間を費やして、さらなる進捗を目指すと発表。また、EU内にて採掘・精製された重要鉱物をインフレ抑制法(IRA)適格とみなすための重要鉱物合意についても交渉継続となった。
[米国] 10月20日、下院本会議で下院議長選挙が実施された。3度目の下院議長就任の挑戦となった超保守派共和党下院議員のジョーダン下院司法委員長を穏健派の共和党下院議員ら25人が支持しなかったことから、同氏は下院議長に選出されず、同日開催された共和党下院議員総会で、ジョーダン氏を共和党下院議長候補から除外することが決定された。10月24日にも共和党下院議長候補が選出され、下院本会議での議長選挙が実施される可能性があるが、下院共和党は引き続き混乱している。
[中国] 10月20日、中国商務部と海関総署は一部の黒鉛製品に12月から輸出許可制を導入すると発表した。黒鉛はEV用電池の負極材に使用され、中国が生産・輸出ともに世界一を占めており、中国の運用によって輸入国は圧力を受けることになる。米国地質研究所によれば、中国は世界の黒鉛の3分の2を生産しているが、トルコやブラジル、マダガスカル、モザンビーク、タンザニアなどにも存在しており、中国の措置によって黒鉛の価格が上がれば、中国以外の地域での生産プロジェクトが進むとする分析もある。
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