デイリー・アップデート

2023年10月11日 (水)

[韓国/米国/中国] 10月9日、韓国大統領府は、「サムスン(Samsung Electronics)とSKハイニックス(SK Hynix)の中国工場に、米国製の半導体製造装置を特別な手続きなしに導入することが可能となった」と表明した。米国政府は、両社を「検証済みのエンドユーザー」に指定し、特別な許可を必要とせず、中国への製造装置導入が可能となる。一方、2023年9月に米国が発表したCHIPS法案によると、米国における半導体事業において補助金を受け取る企業に対し、中国への投資を制限するとしており、先端品は5%、汎用品は10%しか生産能力を拡大できないとしている。

[イスラエル/パレスチナ] 10月7日に始まったイスラエルとガザのイスラム主義組織ハマスとの戦闘は5日目に突入した。ガザからのロケット砲やイスラエル領内へのハマス戦闘員侵入による直接攻撃などで1,000人のイスラエル人の死亡が伝えられ、またイスラエルによるガザへの報復空爆で900人以上のパレスチナ人が犠牲になったと発表されている。今回のハマスのイスラエル奇襲にイランが直接関与していたとする報道が米メディアで見られたが、イランのハメネイ最高指導者は今回の攻撃を賞賛しつつも直接的な関与を否定した。

[米国/ニジェール] 10月10日、国務省は7月に起きたニジェール軍による大統領追放、権力奪取がクーデターであったと公に認定した。これに伴い、米国政府は対ニジェール経済、軍事支援を継続することはできなくなった。すでに一時停止していた2億ドル相当の支援に加え、4億ドル以上の支援停止が決定。しかし今のところ、駐ニジェール米国大使は現地にとどまり、無人機を用いて情報収集を行っている米空軍部隊1,000人も活動を継続する予定となっている。国務省は、軍政が速やかな民政復帰を図ることが支援再開の条件であると発表している。

[アルゼンチン] 10月8日に最後となる第2回大統領候補討論会が開催され、中道右派の最大野党連合「変革のために共に(JxC)」のブルリッチ元治安相が力強いパフォーマンスを示す一方、リバタリアンの右派政治家のミレイ下院議員や与党連合「祖国のための連合(UP)」のマサ経済相は精彩を欠いたパフォーマンスとなったが、致命的なミスを犯すことはなかった。10月22日に大統領選挙第1回投票、11月19日に決選投票が行われる予定で、ミレイ氏優勢で推移している。

[世界経済] IMFは「世界経済見通し(WEO)」を改定した。2023年の世界経済成長率は+3.0%と前回7月時点から据え置かれ、2024年は+2.9%と小幅に下方修正された。米国経済が足元の堅調さを踏まえて上方修正され、世界経済のけん引役になる一方で、足元までの苦境を織り込まれたユーロ圏と中国は下方修正された。日本は2023年に+2.0%、2024年に+1.0%と底堅く推移する見通しとなった。

[中国/イスラエル/パレスチナ] パレスチナのイスラム組織ハマスがイスラエルへ大規模攻撃をしかけ死傷者が多数出ている件について、中国政府は、「緊張と暴力の激化に深い懸念」、「中国は一般人を傷つける行為に反対し、非難する」としつつ、ハマスを直接批判することは避け「中立」の立場を維持している。しかし、中国国内の識者やメディアの主流は、イスラエルのパレスチナ侵攻と支配、ネタニヤフ政権の強硬姿勢、またイスラエルとサウジアラビアの関係正常化の動きが原因だとして、イスラエル(と米国)に問題があると解説している。

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