デイリー・アップデート

2024年11月14日 (木)

[コロンビア] 財政が悪化する中、政府の歳出抑制への意思が明確ではなく、金融資産への売り圧力が続いている。政府が議会で否決された予算案を政令で可決したことや、中央から地方への財政移転が承認されたことなどから、公的債務の上昇も懸念される。

[欧州/米国] コンサルティング会社ベインは、世界の高級品の売上高は2025年に大不況以来初めて減少すると予測しており、次期トランプ政権による関税次第では、その見通しが一段と悪化する可能性を指摘した。ベインによると、米国は欧州に次ぐ世界第2位の高級品市場で、市場規模は約1,000億ユーロ。高級衣料、皮革製品、履物の世界売上高のほぼ3分の1を占めている。2025年の世界売上高は、2024年の3,690億ユーロから2%減少し3,630億ユーロになるとされている。また、Z世代の顧客も高級品から遠ざかっていることや、消費者の購買意欲の低下から、推定顧客数は5,000万人減と初めて減少し、2億5,000万人~3億6,000万人になるとしている。

[フィリピン] 11月7日、フランシスコ・ティウ・ラウレル・ジュニア農業長官とパブロ・ルイス・アスコナ砂糖規制局(SRA)局長は会合を行い、2025市場年度(2024年9月~2025年8月)は、砂糖を輸入しない方針を示した。2023年から2024年にかけてのエルニーニョ現象による長期間の干ばつは、サトウキビの1トンあたりの糖度を16%低下させた。しかし、最近では国内の粗糖および精製糖の供給が安定しているため、現時点で追加輸入の必要はないと判断された。

[米国] 労働省によると、10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.6%だった。上昇率は、9月(+2.4%)から拡大したものの、市場予想通りだった。変動が大きい食品とエネルギーを除くCPIは前年同月比+3.3%、9月と同じ伸び率だった。内訳をみると、エネルギー(▲4.9%)が下落した一方で、サービス(+4.8%)が上昇し、けん引役になっている。市場では、10月のCPIがおおむね想定通りだったため、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが実施されると予想されている。

[フランス] 国民連合やマリーヌ・ルペン前党首が、長年にわたって欧州議会議員秘書を架空に雇用したとされる欧州議会資金の不正受給に関して、11月13日、フランス検察はルペン氏らに、5年間の被選挙権停止や罰金刑を求刑した。検察は被選挙権停止の仮執行を要求しており、裁判所の判断次第では、ルペン氏は2027年の大統領選挙に出馬できない可能性が浮上する。

[米国] 11月12日、トランプ次期大統領は第2期トランプ政権下で新設される行政の効率化を図る大統領諮問委員会的な組織「行政効率化省 Department of the Government Efficiency(DOGE)」を主導する人物に実業家イーロン・マスク氏と起業家ビベック・ラマスワミ氏を起用する方針を発表した。両氏は米国建国250周年の2026年7月4日まで、「行政効率化省」に対して、規制の撤廃、官僚主義の打破、歳出の削減等による省庁・機関の再編成に向け、助言などを行うことになる。

[ロシア] 11月13日、連邦統計局は、2024年7?9月期の国内総生産(GDP、速報値)が前年同期比で+3.1%になったと発表した。4?6月期(+4.1%)から減速した。政府は、ロシアがウクライナでの戦争を続ける中、大幅な予算投入と軍産生産の増加により、2024年通年のGDP成長率は前年比+3.9%と予測している。

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