デイリー・アップデート

2024年11月15日 (金)

[タイ] 11月13日、「経済課題への対応:財政政策の未来」と題された講演で、ピチャイ・チュンハワジラ財務相は、政府は今後4年間で最大3兆バーツの経済刺激予算を確保していると述べた。政府の財政持続可能性枠組みに基づき、公的債務残高の上限はGDP比で70%とされており、2024会計年度(2023年10月~2024年9月)はGDP比65~66%となる約12兆バーツだったため、4%分の4,800億バーツの財政余地があると述べた。同氏はまた、過去10年間で公的債務が大幅に増加し、特にコロナ禍で顕著だったと指摘した。10年前の公的債務はGDP比48%であった。

[日本] 内閣府によると、2024年第3四半期の実質GDP成長率は前期比+0.2%(年率換算+0.9%)となり、2四半期連続のプラスだった。内訳をみると、個人消費が前期比+0.9%と増加した。増加は、2四半期連続。品質不正問題から生産・出荷が停止していた影響が剥落して、自動車購入が増加した。8月の南海トラフ地震臨時情報や台風などに備えて、備蓄用のパックごはんや飲料水などの購入も増加した。その一方で、企業設備投資は▲0.2%と減少した。

[フィリピン] 10月13日、ドゥテルテ前大統領は下院の合同委員会に出席し、大統領在任中に進めた「麻薬戦争」による超法規的殺人の疑惑に関する国際刑事裁判所(ICC)の捜査に協力する姿勢を示した。マルコス政権は同前大統領が納得するのであれば異議を唱えることはないと表明した。

[米国/イスラエル/レバノン] 11月14日、駐レバノン米国大使が、ヒズボラとの交渉を仲介しているレバノンのベッリ国会議長に対して、米・イスラエル側の停戦提案を手渡した。同案では、合意から60日以内にヒズボラがリタニ川以北まで勢力を撤退させ、リタニ川以南地域にはレバノンの正規軍を配備することとなっているが、違反があった場合にはイスラエル軍がいつでも軍事介入できるという内容。イスラエルの軍事介入を認める内容となっているため、ヒズボラが同停戦案を受け入れるかどうかは不明。

[米国] 11月13日、共和党上院議員総会が開催されて今期限りでの上院共和党指導部トップの共和党上院院内総務を辞任するマコネル上院議員(ケンタッキー州選出)の後任を選出する選挙が行われた。現在、上院共和党指導部ナンバー2の共和党上院院内幹事に就任しているスーン上院議員(サウスダコタ州選出)が2回の秘密投票の結果、コーン(テキサス州選出)、スコット(フロリダ州選出)両上院議員を破って次期共和党上院院内総務に選出された。

[EU] 11月18日に予定されているEU外相会合を前に欧州委員会報道官が、ボレル上級代表がEU加盟国大使に対してイスラエルとの政治対話の一時停止を提案することを発表した。決定には加盟国の全会一致が必要とされ、提案が受け入れられる可能性は低い。

[米国/中国] FT紙は、トランプ次期米政権が中国との貿易戦争に再び火をつける場合、中国は強力な報復措置を講じる構えだと報じている。中国はこの8年間に他国がとった措置に対抗するための「反外国制裁法」を成立させ、自国の国益を損ねたとみなした外国企業を「信頼できない事業体リスト」に加えられるようにした。また、記事は重要鉱物を武器化することや、中国市場で利益を上げている米企業を制裁対象にする可能性も指摘している。他方で、米中間で交渉が行われる場合は、中国は米国製造業への直接投資拡大や、米国が問題視しない国への製造拠点の移転に前向きになるという意見も紹介している。

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