デイリー・アップデート

2024年11月25日 (月)

[モザンビーク] 11月22日、10月9日に実施された総選挙で不正があったとして抗議活動を続けている野党のヴェナンシオ・モンドラーネ氏は、11月26日にフィリペ・ニュシ大統領が呼びかけている対話に「条件付き」で応じると述べた。現在、隣国南アフリカから抗議活動を呼びかけているとみられる同氏は、モザンビーク当局による同氏に対する銀行口座の凍結や逮捕命令等の取り下げを求めている。抗議活動によりこれまで少なくとも30名が死亡しており混乱が続く。11月22日、国際人権団体ヒューマンライツウォッチは、モザンビークも加盟する「南部アフリカ開発共同体(SADC)」はモザンビーク当局による抗議参加者への過剰な武力行使を非難すべきだとの声明を出した。

[UAE/イスラエル] 11月24日、UAEで行方不明となっていた超正統派ユダヤ教ラビであるコーガン氏の遺体が発見された。同氏はUAE在住のイスラエルとモルドバの二重国籍者で、11月21日から行方不明となっており、家族が警察に捜索依頼を出していた。UAE当局はこの誘拐殺人を「反ユダヤ主義的テロ行為」と発表。イスラエル首相府は「犯罪者に対して正義を求めるためにあらゆる手段を講じるつもりである」との声明を発表した。UAE警察は3人の容疑者を逮捕したが、容疑者についての詳細は明らかにされていない。

[米国] 11月22日、トランプ次期大統領は次期財務長官にヘッジファンドKey Square Capital Managementの創設者兼CEOのスコット・ベッセント氏を起用すると発表した。大統領選挙キャンペーン中に米経済界の中で最も熱心にトランプ氏を支援していたのがベッセント氏であり、トランプ氏の主要経済公約を擁護していた。ベッセント氏はトランプ氏に対して、(1)2028年までの対GDP比3%の財政赤字削減、(2)規制緩和を通じた3%成長の実現、(3)日量300万バレルの原油等の増産からなる「3-3-3政策」を提言している。

[アイルランド] 11月29日の解散総選挙が予定されているアイルランドで、与党の共和党(FF)、統一アイルランド党(FG)、緑の党が伸び悩んでいる。しかし、最大野党シン・フェイン党も、一時期は政権奪取も可能とみられていたが、児童保護スキャンダルなどを受け、2023年後半から支持が急落している。

[香港] 香港空港管理局は、2019年から香港国際空港のインフラ拡張計画を進めており、2031年の完成を予定している。1,415億香港ドルを投じた3本の滑走路から成る新システムの11月28日の開業に続き、次の段階として1,000億香港ドル(128億米ドル)を投じて、同空港が目的地となるような「ランドマーク」にする計画を明らかにした。美術品を保管するための専用大型施設、600隻収容可能なヨットクラブ、東京の築地市場に匹敵する「ジェット・フレッシュ・マーケット」、ホテル、オフィス、商業施設からなるスカイシティ開発を追加するとしている。

[フィリピン] 11月23日、サラ・ドゥテルテ副大統領が早朝の記者会見で、自分が殺された場合にはマルコス大統領を殺害すべく暗殺者を雇ったとの趣旨の発言をした。フィリピンの治安当局は安全対策を強化した。マルコス家とドゥテルテ家の確執が激化していることが示唆された。

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