デイリー・アップデート

2024年1月9日 (火)

[アフリカ] 国際連合は1月4日に発表した「2024年の世界経済情勢と見通し」において、2024年のアフリカの経済成長率を2023年より0.2ポイント高い3.5%とする予測を示した。また、2025年の成長率は4.2%としている。地域別では、ケニアを含む東アフリカの2024年の成長率が最も高く5.5%と予測。西アフリカ(同3.8%)、中部アフリカ(同3.1%)、北アフリカ(同3.2%)、南部アフリカ(同2.3%)と続いた。

[ドイツ] ドイツ全土での大規模な抗議活動が行われている。ドイツ農民組合連合(DBV)は1月8日から全国的な抗議活動を実施している。年末に予算見直しを迫れられた政府は農業部門の補助金削減、燃料増税、農業用自動車の免税を廃止する方針を示した。DBVはその政策に対する抗議として1週間の予定で抗議活動を開始した。トラクターが高速道路、橋など重要なアクセスポイントを封鎖する事態が各地で発生しており、市民や企業の活動も大きな影響を受けている。1月10日からはドイツ鉄道の運転士などが加盟する列車運転士組合も全国規模のストライキを実施する方針を打ち出しており、実施されるとさらなる混乱に繋がることが懸念されている。

[インド] 1月3日、S&Pグローバルが発表した2023年12月の製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は54.9となり、前月の56.0から低下し、1年半ぶりの低水準となった。ただし、景気の節目となる50は30カ月連続で上回った。新規受注、生産、輸出売上高は拡大したが伸びは減速した。雇用は前月から微増した。一方、サービス業PMIは、59.0となり前月の56.9から上昇した。

[米国] 労働省によると、12月の非農業部門雇用者数は前月から21.6万人増加し、市場予想(17万人増)を上回った。ただし、10~11月分が計7.5万人下方修正され、12月の3か月移動平均値は16.5万人増と、3か月連続で増加幅が縮小した。また、12月の失業率は3.7%と、11月から横ばいだった。平均時給は前年同月比+4.1%と、上昇率は11月から0.1pt拡大した。雇用環境の一部に弱さもみられる内容だったものの、全体として底堅い結果となった。

[バングラデシュ] 1月7日、総選挙(一院制、定数350議席)が実施された。与党アワミ連盟は小選挙区(300議席)で222議席(約74%)を獲得した(小選挙区以外の50議席は比例配分の女性枠)。ハシナ首相は通算5期、連続4期で首相に就く。主要野党のBNPは選挙の実施体制に異を唱え、候補者を立てなかった。選挙管理委員会によれば、投票率は約40%と、2018年の80%から急落した。米国務省は選挙は自由で公正なものではなかったと批判している。

[米国] 1月7日、ジョンソン下院議長(共和党)とシューマー上院院内総務(民主党)は、2024年度の歳出規模を1.66兆ドルとすることで合意に達したと発表した。合意案では国防予算は8,860億ドル、国内裁量的経費では7,730億ドルで、パンデミック対策予算のうち未使用分の61億ドルなどを削減する内容。合意案発表を受けて、下院共和党右派は早々に反対を表明しており、つなぎ予算の第1回目の期限、1月19日までに当該合意案を立法化できるか否かは不透明。2022年10月に下院共和党右派は、民主党側との歳出合意に反発し、当時の下院議長を解任した経緯がある。

[ウクライナ] 1月7日、上川外相はウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領やクレバ外相と会談した。ゼレンスキー氏が提唱する和平計画の実現に向け、両国が引き続き協力することで一致した。上川外相は、日本が、NATOの信託基金を通じて、新たにおよそ3,700万ドルを拠出し、ドローンなど無人機の動きを検知するシステムなどを供与することを明らかにした。

[韓国/北朝鮮] 1月5日と6日、北朝鮮は2日連続で韓国の延坪島(ヨンピョンド)北西で砲撃を行った。5日は約200発、6日は60発以上の砲撃を海上の南北境界線付近で実施した。韓国軍は5日、対抗措置として北に向けて約400発の海上射撃訓練を行ったが、6日は北朝鮮に砲撃の中止と、韓国は相応の軍事措置を取ると警告するのみでとどまった。両国は2018年に国境付近での軍事活動を抑制する軍事合意を結んだが、2023年11月、北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げを受けて韓国は合意の効力を一部停止することを決定し、その後に北朝鮮は合意を全面破棄すると発表している。

[中国] 1月8日、工業情報化部は、「国家自動車半導体標準体系建設ガイドライン」を発表した。2025年までに30項目以上の車載半導体の基準を制定し、環境、信頼性、電気磁気の互換性、機能安全および情報安全などの基準を明確にするとした。工業情報化部は、2023年9月に「自動車半導体エコシステムサミット」を開催し、半導体企業の生産能力の引き上げや自動車大手OEMとの連携強化を指導していく方針を示し、中国独自のサプライチェーンの構築を加速するとしており、今回のガイドラインもその一環と考えられる。

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