デイリー・アップデート

2024年1月15日 (月)

[フランス] 世界的小売チェーンであるカルフールは度重なる値上げを理由に一部の商品の販売を中止している。フランスでは店頭からペプシコ製品を撤去し、「容認できない値上げのため販売をしない、としている」。ペプシコによれば、「カルフールとは数か月に渡って協議している、今後も誠意をもって取り組む」としている。カルフールのこの措置はベルギー、スペイン、イタリアへと拡大されるとしているが開始時期は今のところ未定となっている。

[パキスタン] 1月11日、国際通貨基金(IMF)の理事会は、スタンドバイ取極(SBA)でのパキスタンの経済改革プログラムの最初のレビューを完了した。理事会の決定により、約7億ドルが即時に支払われ、これによって総支払い額は約19億ドルとなった。このプログラムは、(1)2023/24年度(2023年7月から2024年6月)予算の実施、(2)市場決定型為替レートへの回帰、(3)デフレを目指す適切な金融政策、(4)特にエネルギー部門の効率化、SOE(国有企業)のガバナンス、気候変動への対応に関する構造改革の進展に焦点を当てている。

[南アフリカ共和国] 1月4日、南アフリカ・鉱物資源エネルギー庁は2030年までのエネルギー政策を定めた電力統合資源計画(IRP)の見直し案を発表した。IRPは2019年に策定されたが、その後のエネルギー需給の変更に伴い政府が見直しを行っている。今回の案では、国内に埋蔵する天然ガス資源を活用するガス火力発電の容量を2030年までに6,000メガワット(MW)強増加する計画が示された。一方で、風力や太陽光発電を主とする再生可能エネルギーの拡大計画は2019年時から下方修正された。南アでは主力の石炭火力発電の老朽化により厳しい計画停電が続く。

[米国/インド] 1月12日、タイ米通商代表は訪印し、米印貿易政策フォーラムの閣僚会合に臨んだ。ゴヤル印商工大臣と共同議長を務め、共同声明を発表。二国間の経済関係深化、サプライチェーン強靭化等について協力していくことで合意した。米国側は2023年にインドが米国産農産品の一部に対する輸入関税を削減したことを改めて評価。インド側は、米国の一般特恵関税制度から2019年に排除されており、インドの受益国復活を求めているが、2020年末より同制度自体が失効していることもあり、具体的決定は無かった。先だって3分野の合意を見た、インド太平洋経済枠組み(IPEF)への言及も無かった。

[米国] 米国防総省のストーチ監察官はロシアによるウクライナ侵攻後に米国が実施した対ウクライナ軍事支援のうちの約10億国防総省のストーチ監察官はロシアによるウクライナ侵攻後に米国が実施した対ウクライナ軍事支援のうち約10億ドルの軍事支援物資の追跡が適切にできていないとの報告書を1月11日に公表した。ウクライナ政府が流用したかについては評価を行っていないが、米議会では共和党超保守派下院議員らが対ウクライナ追加軍事支援には反対しており、バイデン大統領が米議会に要請している610億ドルの対ウクライナ追加予算の審議に悪影響が及ぶ可能性がある。

[中国] 2023年、中国が輸入した半導体は、前年比▲15.4%の3,494億ドルとなった。中国企業が生産能力を引き上げているのが輸入減少の一因となっている。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)によると、中国半導体メーカーの2023年の生産能力は、前年比+12%の月間760万枚ウエハー、2024年は同13%増の月間860万枚ウエハーに達する見通し。また、台湾の調査会社Trend Forceによると、中国の汎用半導体生産能力における世界シェアは、2023年の31%から2027年までに39%に拡大するとの予測がある。

[イスラエル/パレスチナ] 1月14日、イスラエル-ハマス間の武力衝突が始まって100日目となった。イスラエル軍によるガザに対する空爆と地上侵攻は続いており、10月7日以降のガザにおけるパレスチナ人の犠牲者は24,000人に到達しそうな勢いである。イスラエルによるガザ攻撃を止めるためとして、イエメンの反政府武装組織フーシ派は紅海を運航する船舶や米艦船、イスラエル領土に対するドローン・ミサイル攻撃を強化しており、これに対する報復として米・英主導のイエメンに対する空爆が1月12、13日に実施された。ガザ紛争のより広い地域への拡大が懸念されている。

[ロシア] プーチン大統領の長女マリヤ氏が地元の医療系の非営利団体とのインタビューに応じ、当該団体の専門チャンネルに出演した。プーチン大統領の家族がメディアに出てくるのは極めて異例。プーチン氏の長女マリヤ・ボロンツォワ氏(38)は、小児内分泌学者で、現在はモスクワ州立大学で基礎医学部の副学部長を務めている。

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