デイリー・アップデート

2024年1月22日 (月)

[ケニア] 1月17日、IMF(国際通貨基金)理事会はケニアのマクロ経済安定化を目的とした約10億ドルの追加融資を決定した。ケニア政府は2024年6月までに債権者団体に対して約20億ドルのユーロ債を支払う必要があり、この返済にあてるとみられる。IMFはケニア政府による金融引き締め政策を含む財政再建の取り組みをおおむね評価し、外貨準備高も適切な範囲だとした。IMFは、干ばつの影響を受けていた農業部門の回復を受け、同国の2024年の実質GDP成長率を5.0%と予測している。

[バングラデシュ/日本] バングラデシュ政府は、日本と2024年1月中に、経済連携協定(EPA)の交渉開始で合意する見込みである。バングラデシュは2026年に「後発発展途上国(LDC)」から卒業する見込みであり、輸出品への関税免除が終了することから、これに代わる関税優遇が必要とされている。同国から日本への輸出は主に衣料品、日本からのバングラデシュへの輸入は鉄鋼が大きな割合を占める。両国は2025年中の交渉妥結を目指しており、日本は鉄鋼や自動車への関税撤廃や引き下げ、さらに農産品の輸出の増加を狙う。日本がLDCから卒業を予定する国とのEPA交渉はこれが初めてとなる。

[米国] ミシガン大学の「消費者調査」によると、2024年1月の消費者信頼感指数は78.8となり、2023年12月の69.7から上昇した。市場予想を上回り、2021年7月以来の高水準になった。足元の状態を表す現況指数は83.3と、2023年12月の73.3から上昇した。先行きを表す期待指数も75.9と、12月の67.4から上昇しており、消費者マインドは回復しつつある。また、1年先のインフレ期待は2023年12月の3.1%から2.9%へ、5年先のインフレ期待も2.9%から2.8%へと低下し、インフレ期待も落ち着きつつあるもよう。

[中国] 1月19日、工業情報化部の辛国斌副部長は記者会見で、「研究機関、業界団体を動員して年初に自動車産業に関する調査研究を行い、現在直面している環境、発展に関するプラスとマイナスのそれぞれの要因を分析した」と語り、2024年の生産・販売は引続き伸長し、新エネルギー車も良好な発展を維持するとの見方を示した。業界団体は研究機関と共同で、2024年の生産を前年比+3%の3,100万台、新エネルギー車は前年比+20%の1,150万台と予測しているが、工業情報化部によるさらなる検証が実施されるもよう。

[米国/中国] 1月18~19日、米中金融作業部会が北京にて開催された。米国からは財務次官が代表団を率いて会議に参加し、中国側は人民銀行の関係者等が参加した。同部会は、2023年にイエレン財務長官が訪中した際、米中両国が設置に合意した協議枠組で、中国財務部が参加する経済作業部会も別に存在する。両国は、気候変動ストレステスト、国際金融機関のあり方、クロスボーダー決済、資金洗浄対策など、広く意見交換を行ったもよう。米中間では、このほかにも米商務省所管の枠組みや、合成麻薬に係る作業部会なども立ち上がっており、1月には懸案の軍当局同士の対話も再開している。

[米国] 1月17日、バイデン大統領はホワイトハウスで、有力共和党下院議員であるターナー下院軍事委員長、ロジャース下院情報委員長、ジョンソン下院議長、マコール下院外交委員長の4人と、対ウクライナ追加軍事支援について非公式に協議した。サリバン米大統領補佐官やヘインズ米国国家情報長官(DNI)からは、米議会が対ウクライナ追加軍事支援を承認しない中、ウクライナ政府軍の武器、兵器は枯渇し、ロシアがウクライナ戦争に勝利する可能性についても言及が行われた。

[日本/ロシア] 1月19日、ロシアのプーチン大統領は同国外務省で日本などを担当するアジア第3局長のニコライ・ノズドレフ氏(52才)を、新たな駐日大使に任命する大統領令に署名した。ノズドレフ氏は1994年にモスクワ国際関係大を卒業後に外務省入りし、2010~15年に在オーストラリア大使館参事官、2015~18年にアジア第3局次長、2018年2月からアジア第3局長などを歴任した。

[中国] 国務院は、ここ数週間で地方政府と国有銀行に対し、債務の割合が特に高い全国の12地域において、投資計画の半分以下しか完了していないインフラ・プロジェクトの建設を延期または中止するよう指示していると、1月19日付のロイター通信が報じている。今回の指令の対象となるインフラには、高速道路、空港拡張、都市鉄道輸送プロジェクトなどが含まれるとしている。中央政府が承認したプロジェクトや、手頃な価格の住宅プロジェクトなど一部は除外される。12地域には遼寧省、吉林省、貴州省、雲南省、天津市、重慶市などが含まれている。

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