デイリー・アップデート

2024年1月18日 (木)

[コモロ] 1月14日、東アフリカの島国・コモロ連合で5年ぶりの大統領選が実施された。現職のアザリ・アスマニ大統領が63%の得票率を得て再選された。同氏の大統領就任は3期連続、4期目となる。野党候補は選挙実施前から与党が選挙を不正に操作していると主張し、有権者にボイコットを呼びかけていた。投票率は16%程度と報じられている。人口約80万、サブサハラアフリカ47か国中、2番目にGDP規模が小さい同国の経済は脆弱で、IMFから財政支援を受けている。

[米国] FRBが発表した「地区連銀経済報告(ベージュブック)」によると、米国の経済活動は前回(11月)から「ほとんど変化がないか、変化がない」と総括された。個人消費は年末商戦などによって一部の地区で予想を上回ったものの、全体としては想定内の動きであった。一方で、製造業は、低調に推移した。また、雇用水準には変化がなかったものの、労働市場が減速する兆候がほぼすべての地区から報告された。物価上昇ペースも鈍化している様子がみられた。

[エジプト] 紅海のフーシー派の航行妨害の影響でスエズ運河を通行する船舶数が減少している。スエズ運河当局のオサマ・ラビー長官はメディア出演の折にこの問題に触れ、1月1日から11日まで通行船舶数は544隻と2023年同期の777隻から大幅に減少していることを明らかにした。また通行料収入も40%減少していると述べた。スエズ運河はエジプトにとって貴重な外貨収入源で近年では拡張を通じて歳入拡大に努めてきた。また、安全上の懸念は通行料の割引などのインセンティブでは克服できないとし、当座はこの問題解決を待つ姿勢を示した。

[中国] 1月17日、国家統計局は、2023年の中国の実質国内総生産(GDP)成長率が前年比で+5.2%だったと発表した。政府目標(5.0%前後)を達成し、前年から2.2ポイント拡大した。新型コロナウイルス禍による活動制限からの経済活動の再開や政策支援が成長を支えたが、前年の成長率が低かったことの影響もあることから、成長の力強さには疑問の声もある。また、不動産市場は依然低調さが続いている。一方で、2023年8月以降、発表を停止していた都市部の16~24歳の失業率の発表が再開された。同年12月の同失業率は学生を除いて14.9%だった。

[米国] 1月17日、バイデン大統領は議会指導部をホワイトハウスに招き、議会からウクライナ支援予算承認を取り付ける方策を模索した。会談後、ジョンソン下院議長は、政権がより厳しい移民規制策に同意しない限り、下院が対外支援予算を承認することはできないと発言しており、与野党間の難しい折衝が続く見込み。下院を押さえる野党・共和党は、ウクライナ支援予算を承認する対価として、移民規制や国境警備強化を求めており、民主党側は人道的配慮から、過度な移民規制に反対している。

[米国] 1月17日、国務省はイエメンの反政府シーア派武装民兵武装組織フーシ―派に対して「特別指定国際テロ組織(SDGT)」と「外国テロ組織(FTO)」にそれぞれ再指定したと発表した。トランプ前大統領は離任直前2021年1月にフーシ―派をSDGTとFTOに指定していたが、バイデン政権は発足翌月の2021年2月にイエメンの人道危機をさらに悪化させてかねないとして解除していた。バイデン政権は今後フーシ―派幹部等の制裁発動により財政面でも圧力を強化する。

[中国] 1月17日、国家報道事務室が2023年の経済運営状況について説明会を開催した。この説明会で、国家統計局の康義局長は、「不動産市場は20年以上の発展を経て、調整と転換の過程にある」との見方を示した。また、「需給の変化に対応し、不動産政策を調整・最適化しており、前向きな変化が見られる」とし、不動産開発投資が前年比▲9.6%で減少幅は同0.4pt縮小、住宅販売面積は同▲8.5%、売上高は同▲6.5%で、減少幅はそれぞれ同15.8pt、20.2ptと大幅に縮小、住宅竣工面積が同+17.2%のような例を挙げて説明した。

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