デイリー・アップデート

2024年1月17日 (水)

[ガーナ] 1月12日、ガーナ財務省はG20共通枠組みの下での債務処理について公的債権者と合意に達したと発表した。2022年12月に債務不履行に陥ったガーナ政府は、2023年1月に同枠組みを活用し、債務免除申請を行ったと報じられていた。このG20への申請と足並みを揃えるかたちで、2023年5月にガーナ政府に対して総額30億ドルの拡大クレジットファシリティ(ECF)の供与を承認していたIMFは、今回のガーナ政府の発表を歓迎する声明を出した。

[ロシア] 日本では1年以上振りとなる鶏卵の価格低下が話題になっているがロシアでは卵価格が高騰し、一部地域ではスーパーマーケットにソ連時代のような行列ができたと話題になっている。多くの食料品価格が上昇している中、鶏卵価格はこの1年間で42%上昇しており、卵1個当たり23セント(約34円)で販売されているという。ロシア政府は輸入関税を引下げ、トルコやアゼルバイジャンからの輸入を積極的に推進している。食料品価格高騰に対する年金受給者の苦情に対して選挙を控えているプーチン大統領は2023年末に異例の謝罪を行ったとされる。

[インド] インド自動車工業会(SIAM)が12日に発表した2023年の国内新車販売台数(乗用車と商用車、出荷ベース)は、前年比7.5%増の507万9,985台だった。2021年以降3年連続のプラス成長だった。乗用車と商用車の合計販売台数は日本を2年連続で上回り、中国と米国に次ぐ世界第3位の市場を維持している。乗用車の販売台数は前年比8.2%増の410万1,600台となり、400万台の大台を初めて突破した。スポーツタイプ多目的車(SUV)を含むユーティリティービークル(UV)が22.4%増となり、市場の成長をけん引した。

[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)によると、1月の景気期待指数は+15.2となり、2023年12月から2.4pt上昇した。小幅低下を予想していた市場予想を上回った。背景には、回答者の半数以上が2024年前半の欧州中央銀行(ECB)の利下げを織り込んだように、金利上昇の悪影響が次第に緩和するという見通しがあったようだ。ただし、足元の現況指数は▲77.3と、前月から▲0.2ptと小幅に低下、ドイツ経済の現状は依然厳しいままだ。

[米国] 共和党大統領候補指名獲得争いの幕開けとなるアイオワ州党員集会が1月16日に行われ、事前の各種世論調査結果どおりにトランプ前大統領が過半数を上回る支持を獲得し、2位のフロリダ州のデサンティス知事、3位のヘイリー元国連大使に対して約30ポイントもの大差をつけて圧勝を収めた。次の主戦場は1月23日に投票が行われるニューハンプシャー州予備選挙であるが、同州ではトランプ氏を追い上げを見せているヘイリー氏の戦いぶりが注目される。

[米国] 1月16日、上院財政委員長と下院歳入委員長の間で税制に係る超党派合意が成立した。児童税額控除の拡充や、企業の研究開発費用に係る税優遇策などが盛り込まれ、総額780億ドル規模と報じられている。今後、合意内容を立法化する必要があるが、連邦議会が抱える直近の課題は、1月19日に失効する、いわゆる「つなぎ予算」の延長であり、党内、そして与野党間の折衝が注目される。また、バイデン政権は、イスラエル、ウクライナ支援予算の承認も求めており、17日に議会指導者をホワイトハウスに招き、協議する予定となっている。

[ウクライナ] 1月16日、ゼレンスキー大統領は世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で講演し、日米欧などが凍結しているロシア資産をウクライナに引き渡すように呼びかけた。一方、プーチン大統領は1月16日、戦争が続けばウクライナは国家として「回復不可能な打撃」を受ける可能性があるとし、戦闘での主導権は完全にロシア軍が握っていると述べた。

[中国/スペイン] BYD(比亜迪)は、スペインの再生可能エネルギー企業Grenergy社に対し、1.1GWhの大型エネルギー貯蔵システム「MC Cube蓄電システム」を提供すると発表した。このシステムは、BYDが世界で初めて開発したブレード電池を用いた蓄電システム。ブレード電池とは、長さ2メートル、厚さ13.5ミリの細長形状を持ち、モジュール化せず電池パックにまで仕上げたもので、スペース効率が約98%向上、電池寿命は2倍、電力コストは約30%削減できるという。世界のエネルギー貯蔵市場における上位9位はいずれも中国企業で、上位2社のシェアーはCATL(寧徳時代)が35%、BYDが12%となっている。

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