デイリー・アップデート

2024年1月11日 (木)

[カンボジア] 経済財政省は、2024年の予算案の中で、同年度の1人当たり国内総生産(GDP)が前年比+8%の2,071ドル(約29万8,000円)になると予想している。2024年のGDPは142兆9,600億リエル(約5兆円)で、実質GDP成長率は前年比+6.6%になる見通しを示した。1人当たりのGDPは、2022年が1,784ドル、2023年(推計)が1,917ドルだった。カンボジア王立アカデミー(RAC)は、投資の流入に伴う社会経済活動の拡大を背景に、1人当たりの収入も増加していると述べ、今後の課題としてさらなる投資誘致や輸出市場の多角化を挙げた。カンボジアは、2030年までに上位中所得国、2050年までに高所得国入りを目指す目標を掲げている。

[ユーロ圏] EU統計局(Eurostat)によると、2023年第3四半期のユーロ圏の住宅価格指数は前年同期比▲2.1%となり、2四半期連続のマイナスになった。物価高騰や利上げの影響がみられる。国別にみると、ドイツは同▲0.2%と第2四半期の同▲6.8%からマイナス幅を拡大させ、4四半期連続のマイナスになった、フランスは前期の同+0.7%から同▲1.5%へマイナスに転じた。その一方で、イタリア(同+1.5%)やスペイン(同+4.5%)では、プラスが継続している。

[ソマリア/エチオピア] 1月1日、東アフリカの内陸国エチオピアと、紅海に面するソマリランド両政府の首脳は、エチオピアによるソマリランドの港の使用および沿岸の土地租借に関する覚書に署名した。ソマリランドはソマリア連邦共和国北部に位置する国連未承認国家だが、エチオピアはこの覚書においてソマリランドを独立国家として承認する含みを持たせた。他方で、ソマリア連邦共和国政府はエチオピアによる「侵略行為」だと強く反発。米国、アフリカ連合(AU)などもソマリア連邦共和国の主権を尊重する姿勢をとっている。

[米国]  「反トランプ」を鮮明にして共和党大統領候補指名獲得を目指していたニュージャージー州のクリスティ前知事が1月10日撤退を表明した。1月15日のアイオワ州党員集会の5日前にクリスティ氏は撤退を余儀なくされたが、クリスティ氏の撤退により恩恵を受けると見られているのが世代交代を訴えてトランプ前大統領との一騎打ちの対決を模索しているヘイリー元国連大使と見られている。ヘイリー氏はニューハンプシャー州での支持も上昇していることが最新世論調査で判明。

[米国] 「今買って後払い」(Buy Now, Pay Later/BNPL)という購買プランは金利の高いクレディットカードの代替として米国では2023年に利用が増加した。年末年始の休暇明けの頃から、その多くが返済期限を迎えると見られているが、利用額全体は分かってはいないことで「幻の債務」とも表現されている。BNPLの利用増は米国消費者の一部が金利高の影響を受けている兆候ではあるが、その全体像は十分に把握されていないため、支払い遅延が生じた際の影響は米国経済にとって軽微なのか、それとも重大な問題を引き起こすのかも分かっていない。

[中国/米国] 1月8日、米CNNは、メキシコ国境から徒歩で米国に不法入国し、米国への移住を求める中国人に関するドキュメンタリー番組を放映した。2012年に米国への亡命を求めた中国人は5,400人だったが、この10年で急増し、2022年は8万8,600人であった。また、メキシコから不法入国する中国人の数は、過去10年の年平均は1500人だったのが、2023年は3万1千人以上に上った。移住希望者は、資金的余裕がない場合は、エクアドルから徒歩で厳しい道のりを北上する。裕福な場合は日本のマルチビザを取得し、メキシコに直接入国する選択もあるとしている。

[イスラエル] イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が10月7日以降3か月間にわたって続いているが、既にガザではパレスチナ人の民間人を含む23000人以上が犠牲となっている。この事態に対し、「イスラエルがパレスチナ人に対するジェノサイド(大量虐殺)を行っている」として南アフリカが国際司法裁判所(ICJ)に提訴した訴訟に関する審理が1月11日から始まる。11日には南アフリカ側が、12日にはイスラエル側が出廷し弁論を行う予定。イスラエル政府報道官は「南アフリカによる不条理な名誉棄損に反論する」とし争う予定。

[米国] 1月10日、下院では議事手続き上の採決にて、共和党議員の一部が反対票を投じ、議事を止める事態となった。下院議長が民主党と交わした予算案合意への反対表明であったと思われる。共和党側からは、2024年度歳出案を可決する対価として、さらなる歳出削減、国境警備強化、移民制限などを求める声が上がっており、下院議長がいかに共和党議員団をまとめ、政府閉鎖を避けるのかが注目される。現在、連邦政府はつなぎ予算の下で運営されており、1月19日につなぎ予算の一部が失効するため、何らかの措置を講じない限り、政府閉鎖に追い込まれる。

[ロシア] 1月10日、プーチン大統領はロシア最東端に位置する極東のチュコト自治管区を訪問し、中心都市アナディリで住民らと懇談した。通算5選を狙う3月の大統領選に向けて、事実上の「地方遊説」を開始した格好である。プーチン氏は現在71歳だが、さらなる長期政権を見据え、今回、健康や体力に問題がないことをアピールした。

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