デイリー・アップデート

2024年9月3日 (火)

[アルゼンチン] アルゼンチン政府は枯渇する資金への対策として、金準備を活用するようだ。中央銀行が、金準備の一部を担保に、商業銀行から融資を受ける。アルゼンチンの純外貨準備高はマイナス69億ドルとされており、債務返済能力が懸念されていた。

[中国/南アフリカ] 9月2日、習近平主席とラマポーザ大統領が北京で約1年ぶりとなる首脳会談を行った。同会談は9月4~6日に開催される「第9回中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)」に先立ち行われたもの。両首脳は両国間の関係を全面的な「戦略的パートナーシップ」に高めるとする共同声明を発表した。習主席は6月に再選したラマポーザ大統領に祝意を示すとともに、2025年にG20の議長国を務める南アフリカを全面的に支援すると述べた。ラマポーザ大統領は中国との貿易の拡大を目の当たりにしてきた一方で、南ア側の対中貿易赤字を縮小させ変革を進めることで、バランスの取れた貿易構造を目指したいと述べた。

[米国] 「銃声かと思ったら雹(ひょう)だった。」ギャラガー再保険の調査では、今年これまでのところ、雷雨による経済損失が610億ドルにのぼり、そのうち310~490億ドルが雹による被害と推定している。ノーザンイリノイ大学の研究では、温室効果ガスの発生量に応じて、1.5インチ以上の大きさの雹が降る頻度が15%から75%へと上昇するとの予測を示している。大きな雹が降ることによる経済損失が拡大すると災害保険料の上昇にもつながる。科学者たちは被害を抑えるために、1970年代以来初めてとなる雹の現地調査を計画している。これは竜巻と同じように雹の嵐を追跡し、発生メカニズムや範囲の特定を行うことを目的としている。

[米国] 9月2日の「レイバーデー(労働者の日)」の祝日が終わると米国大統領選挙の投票日である11月5日まで約2か月となり、候補者の本選挙キャンペーン―は本格化する。ハリス副大統領とトランプ前大統領は大統領選挙の帰趨(きすう)を決する「激戦州」での遊説を繰り返し、有権者に対して支持を訴えている。各種最新世論調査では両候補は接戦を展開しており、近年米国社会の分極化も進行する中で今回の大統領選挙も接戦となる可能性が高いと見られている。

[日本/中国/米国] 9月2日付のブルームバーグ紙は、中国の政府高官が最近の日本側との会談で、もし日本が半導体に関する対中技術規制強化を行うなら中国は経済報復を行うとけん制しており、トヨタ自動車の関係者が東京の関係者に、中国は自動車生産に不可欠な重要鉱物への日本のアクセスを制限する可能性があるとの懸念を伝えていると報じている。日本国内には、米国の対中技術規制に反発する声があると紹介しつつ、米国政府内には、米国の方針に従わない国に対して外国直接製品規則(FDPR)を適用することも選択肢にすべきとの声が存在するとしている。

[ミャンマー] 9月1日、ミンアウンフライン国軍司令官が国民向けビデオ演説を行い、10月1~15日に国勢調査を実施すると発表した。軍政の統治機関である国家統治評議会(SAC)の最終目標は「自由で公正な複数政党制の選挙の実施」であると強調し、国勢調査がその基礎となるとして、国民に協力を呼び掛けた。総選挙の具体的な日程については言及がなかった。

[米国/イスラエル] 週末にガザ南部からイスラエル人人質6人の遺体が発見され、そのうちの1人が米国でも良く知られる米国との二重国籍者だったこともあり、バイデン大統領はハリス副大統領やサリバン大統領補佐官、ブリンケン国務長官、これまで停戦交渉に参加してきた交渉団などと協議を行い、今後数週間以内に米国は停戦に関する最終提案を行う予定であるとのこと。今回が米国による最後の停戦提案となる可能性があり、この提案への合意が無ければ米国は紛争の仲介を終わらせる可能性もある。

[米国/中国] 8月30日、バイデン政権は対中301条関税の引き上げに関する最終決定を数日中に行うと発表し、その施行をさらに遅らせた。バイデン政権は5月に対中追加関税率の一部引き上げを発表し、その大部分は8月1日から実施されるはずだった。しかし、バイデン政権はステークホルダーから寄せられたパブリックコメントを精査中であることを理由に延期し、8月中に最終決定と公表していた。関税率引き上げは最終決定発表の2週間後になると見込まれている。

[米国/ロシア] 米国の2人の研究者が、ロシアが開発中とされていた原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」の配備地点とみられる場所を特定した。首都モスクワの北475kmにあるボログダ市にある、核弾頭貯蔵施設の隣にある場所が「ブレベスニク」の配備場所のようだと突き止めた。NATOが「SSC-X-9スカイフォール」と呼ぶ「ブレベスニク」は、事実上射程距離が無限で、米国のミサイル防衛網をすり抜けることができるため、プーチン大統領は「無敵の兵器」と自賛する。

[英国] ラミー外相が9月2日の議会で、イスラエルへの武器輸出に関し、戦闘機、ヘリコプター、ドローン用部品や照準装置を含む既存の30件の輸出ライセンスを即刻停止すると発表した。イスラエルによるガザにおける紛争での「コンプライアンスに疑念が生じ」、人道的アクセスや捕虜の扱いに関する違反の可能性があると判断した。

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