2024年9月25日 (水)
[ドイツ] Ifo経済研究所が発表した9月の企業景況感指数(2015年=100)は85.4となり、8月(86.6)から低下した。市場予想(86.0)を下回り、4か月連続で低下した。内訳をみると、足元の状態を表す現況指数(84.4)は8月から▲2.0ptの低下、先行きを表す期待指数(86.3)も▲0.5ptの低下だった。これらの結果を踏まえて、ドイツ経済は一段と下押し圧力を受けていると総括された。景気の下振れ懸念から、金融市場では10月のECB理事会での追加利下げ観測も強まっている。
[ナイジェリア] 9月24日、中央銀行(CBN)は、金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を+26.75%から+27.25%に引き上げた。利上げは13会合連続となった。9月16日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)は2か月連続の低下となる+32.15%であり、今回のMPCで金利は据え置かれるとの見方が強かったことから、今回の利上げは衝撃をもって受け止められた。CBNのカルドソ総裁は、食料インフレの上昇リスクや、エネルギー価格の上昇などのインフレ圧力を緩和させ、実質金利をプラスにする努力を継続すべきとの判断から利上げを決定したと説明した。
[中国/ブラジル/ウクライナ] 中国とブラジルは、ウクライナ戦争に関する調停案を推進するため、9月27日にニューヨークで開催される国連総会の場で会合を開く予定だとワシントン・ポスト紙などが報じている。両国が主催する会合にはアゼルバイジャン、コロンビア、エジプト、ケニア、メキシコ、サウジアラビア、タイ、UAE、ベトナムなど、少なくとも20か国が参加する見通し。米国やEUは参加しない。ブラジルと中国の調停案ではロシアのウクライナからの撤退を求めておらず、ウクライナのゼレンスキー大統領は、中・ブラジル案を「破滅的」と批判し、「我々は何も聞かされていない」、「ウクライナに対するリスペクトの欠如」と批判している。
[ミャンマー/中国] 9月18日、シャン州の少数民族武装勢力であるミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)は、民主派の政治組織「挙国一致政府(NUG)」とは軍事的にも政治的にも協力しないとする内容の声明を発表した。シャン州の州都タウンジーや国内第2の都市マンダレーを占拠するつもりはないとも述べた。中国からの圧力により発表したとみられている。
[イスラエル/レバノン] 9月23日以降、イスラエルによるレバノン空爆は激しさを増しており、23日からの2日間におけるレバノン側の死者は子ども50人、女性94人を含む569人に達し、負傷者は1,800人を超えている。国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)の職員2人の死亡も確認された。イスラエルによる空爆が特に激しいレバノン南部からは、約50万人が安全を求めて同国の北方へ避難を始めている。国連安全保障理事会は、本件に関する協議を行うため、25日に緊急会合を開催する予定。
[ベトナム/ラオス] 9月10日から3日間、ラオスのトーンルン・シースリット国家主席兼ラオス人民革命党中央委員会書記長はベトナムを訪問し、ベトナムのトー・ラム国家主席と会談を行った。ラオスの高インフレかつ経済成長の停滞に直面している状況下での会談であり、両国の関係強化が重要なテーマとなった。ラオスにとって、ベトナムは第3位の貿易相手国であり、主要な投資国でもあることから、両国の経済協力はラオスにとって極めて重要であり、ベトナムからの、特にラオス南部への投資は、中国依存を軽減し、経済構造のリスクを抑えるための重要な一手となっている。エネルギー分野では、ラオスの電力輸出が同国の輸出全体の25%以上を占めている中、ベトナムは2030年までに、ラオスから約5,000メガワットの電力を輸入する計画を立てている。
[ロシア] 9月24日、ロシアのミシュスチン首相は、同国の2025年予算は歳出が+9%の41.5兆ルーブル(4,462億ドル)になるとの見通しを示した。財政赤字は国内総生産(GDP)比0.5%と見込まれるほか、軍事支出に重点が置かれるという。一方、2025年の歳入は+12%の40.3兆、うち73%が非エネルギー関連となる見通しだと同首相が述べた。
[米国] アメリカではハンバーガーとフライドポテトが最も人気のある料理だが、人気のある食料品は果物と野菜という調査結果が公表された。インターネット調査会社Yougovによると、アンケート回答者の85%が、ハンバーガーをアメリカで最もポピュラーな料理としている。一方で、統計データプラットフォームStatistaによると、18歳から64歳までの1万85人を調査したところ、回答者のうち64%が食料品店に行く際に最も頻繁に購入する食料品は、果物と野菜としている。専門家はアメリカの食生活が向上していると肯定的に捉えている一方で、国民全体にこのような傾向が確認できるのではなく、偏りはあると警告している。最近の健康志向の高まりや良質なタンパク質を好む良い傾向はあるが、同時に炭酸飲料やスナック菓子などの加工食品を好む傾向も見られるため、結果的にカロリー摂取量は多くなり、運動不足と相まって他国よりも減量しにくい食習慣の状況だと指摘している。
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