デイリー・アップデート

2024年9月30日 (月)

[ガーナ] 9月27日、中銀(BOG)は金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を+29.0%から+27.0%に引き下げた。利下げは4会合ぶりとなった。中銀は利下げの理由について、「金融引き締め政策によりディスインフレが順調に進行しており、インフレ率は5か月連続で低下(8月は+20.4%)。年末までにさらに+13~17%に低下し、2025年末までには、中期的目標である+6~10%に低下が予測されることから利下げを判断した」と述べた。また、金と原油の輸出と、国内の金購入プログラムが好調なことを背景に、外貨準備高は輸入の3.4か月分に増加。マクロ経済の改善を背景に企業景況感も回復していると付け加えた。

[アジア太平洋] 9月25日、アジア開発銀行(ADB)は、2024年のアジア新興国・地域の実質国内総生産(GDP)成長率が前年比+5.0%になるとの見通しを発表した。前回7月時点の見通しから据え置いた。今後、電子機器などの輸出が堅調さを維持し、インフレが落ちつき、個人消費が回復するとみられる。2024年上半期は、高所得の技術輸出国は、人工知能製品向けの世界的な半導体需要の増加による恩恵を受けた。一方で、金融引き締め政策の遅延効果と世界的な食料価格の緩和が反映され、インフレ率は引き続き低下している。アジア新興国・地域は、中国やインド、東南アジア各国を含む46か国・地域が対象となる。

[米国] 米商務省によると、8月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比+2.2%となった。上昇率は7月(+2.5%)から縮小し、2021年2月(+1.8%)以来の小さなものになった。内訳をみると、エネルギー(▲5.5%)とともに、耐久財(▲2.2%)や非耐久財(▲0.2%)の低下が目立った。その一方で、サービス(+3.7%)は7月と同じ伸び率にとどまっていた。また、食品とエネルギーを除くコア指数は+2.7%と、7月(+2.6%)と上昇率を小幅に拡大させた。

[ミャンマー] 軍政が9月26日付の声明で、民主派武装組織「国民防衛隊(PDF)」と少数民族武装勢力に対し、戦闘を停止して「政党政治か選挙」を通じて政治的問題を解決することを求めた。2021年2月のクーデター後、軍政が抵抗勢力に停戦と政治参加を求めるのは初めて。軍政は2025年の総選挙実施を目指しており、そのために治安を改善し選挙の正当性を高める狙いがあるとみられる。もっとも、民主派の「挙国一致政府(NUG)」への言及はなかった。また、AP通信等によれば、NUGやカレン民族同盟(KNU)の報道官は、軍政の要求を拒絶すると表明した。

[イスラエル/レバノン] 9月28日、イスラエル軍は前日27日のベイルート南部への大規模空爆で、ヒズボラを過去32年間率いてきたナスラッラー書記長を殺害したと発表した。同空爆にはバンカーバスター(地中貫通爆弾)が用いられ、ヒズボラ本部と言われる地下施設で、ナスラッラー書記長など幹部の会議中に攻撃したとのこと。ヒズボラ幹部やイランの革命防衛隊幹部も含め、複数人の死亡が確認されている。ヒズボラは、ガザでの戦争が終わらない限りイスラエルに対する攻撃を継続するという主張を変えていない。

[米国]  9月27日、ブリンケン国務長官は、国連総会を終えたタイミングで記者会見に臨み、米外交をめぐる諸状況についての認識を明らかにした。メディア側からは中東情勢に関する質問が相次ぎ、ブリンケン氏は抑止力と外交を駆使することで、中東の恒久的安定を図るとの従来の立場を繰り返した。また、ロシアを支援するイラン、北朝鮮、中国に対する国際的圧力の必要性に言及し、今後、米中首脳会談が実施される可能性を示唆した。

[ウクライナ/米国] 9月28日、ゼレンスキー大統領は、米国での一連の日程を終えたと発表した。対ロシア戦争の「勝利計画」を、バイデン大統領のほか、いずれも次期大統領を狙うハリス副大統領、トランプ前大統領に説明した。米政府から約80億ドル(約1.1兆円)の支援を引き出したものの、ロシア領に対する長距離攻撃兵器の使用容認という重点要望は受け入れられなかった。

[オーストリア] 9月29日に行われた国民議会選挙で、極右の自由党が初めて第1党で勝利した。内務省発表の投票結果(暫定)によると、キクル党首が率いる自由党の得票率は29.2%と、ネハンマー首相率いる国民党の26.5%を上回った。しかし、分断を煽るキクル党首の言動を背景に、他政党はキクル氏主導の連立には否定的であり、連立協議は難航するとみられる。

[中国] 中国の旅行予約プラットフォームTripによると、10月1日から始まる7日間の国慶節休暇の間、長距離旅行に出かける中国国内旅行者の数は全国民の約60%に上り、昨年(2023年)の39%から大幅増となる見込み。航空運賃の値下げや文化的体験への関心の高まりが背景にあるとみられる。休暇シーズンの国内線航空運賃は、9月中旬の時点で、昨年よりも平均で21%安くなっている。連休中の中国の航空利用者数は1日あたり平均230万人と予測されており、昨年比+8.3%、2019年と比較すると+21.9%となる。

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