デイリー・アップデート

2025年2月4日 (火)

[ユーロ圏] EU統計局(Eurostat)によると、1月のユーロ圏の消費者物価指数(HICP)は前年同月比+2.5%となった。上昇率は、11月実績値と市場予想(いずれも+2.4%)を小幅に上回り、9月(+1.7%)を直近ボトムに4か月連続で拡大してきた。内訳を見ると、エネルギー(+1.8%)が前年の反動から2か月連続のプラスとなった影響が大きかった。また、サービス(+3.9%)は12月(+4.0%)から小幅に縮小したものの、2024年後半から4%前後の上昇率で高止まりしている。

[ルワンダ/コンゴ民主共和国(DRC)] 2月3日、ルワンダ系反政府勢力「M23」と同盟関係にある「コンゴ川同盟(AFC)」は、人道上の理由から2月4日から停戦すると一方的に発表した。声明によると、M23らが制圧したDRC東部の主要都市ゴマの支配は継続するものの、ブカブなど他都市の支配は行わない意向を示している。M23らとの戦闘を続けるDRC政府はこの一方的な停戦に同意しておらず、M23を支援する隣国ルワンダに対する国際社会による制裁を強く求めている。また、同日、ケニアのルト大統領は、2月7~8日にタンザニアで「東アフリカ共同体(EAC)」と「南部アフリカ開発共同体(SADC)」の緊急合同会議を実施すると発表した。

[米国/ロシア/ウクライナ] トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領による対面会談の開催地にサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)が浮上している。両国ともプーチン氏に逮捕状を出している国際刑事裁判所(ICC)には加盟していない。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアのウクライナ侵略を巡る米露の「対話」を警戒しており、ウクライナを除外した停戦協議は「危険だ」と指摘している。

[ミャンマー] 1月31日、国防治安評議会(NDSC)が2021年2月のクーデター時に発令した非常事態宣言の6か月間延長を発表した。同宣言の延長は7回目。ミンアウンフライン国軍司令官兼「暫定大統領」は、選挙に必要な平和と安定が回復できていないため再延長が必要とNDSCで報告した。非常事態宣言は本年中に解除され、11月頃に総選挙が行われると予想されている。

[シリア/サウジアラビア(サウジ)] 2月2日から2日間、シリア暫定政府のシャラア大統領とシャイバニ外相がサウジのリヤドを訪問し、ムハンマド皇太子兼首相らとの会談を実施した。シャラア氏が大統領就任後初めての外遊でサウジを訪問したことは、イランやロシアとの関係を重視していたアサド前政権から国の方針が大きく転換し、シリアの新体制がサウジを重要視していることを表している。シャラア氏は父親が働いていたサウジで生まれ、幼少期をサウジで過ごしている。なお、シャイバニ外相の就任後初外遊もサウジだった。

[米国] 2月3日、トランプ大統領は、政府系ファンド設立を指示する大統領令に署名した。90日以内に設立計画を提出するよう財務長官と商務長官に指示を下した。国家が戦略的目標を達成するためにファンドを活用する事例は各国に見られ、米国も同様の取り組みを通じて、国民の税負担を軽減し、経済力の強化を図るべきであると大統領は説明。米国では既に23州がエネルギー資源収入などを活用する形でファンドを運用している。バイデン前政権もファンド設立を検討した経緯がある。

[インド] 格付会社大手のフィッチ・レーティングスは、2月1日に発表された2025/26年度(2025年4月~26年3月)の予算案を受け、公的債務の減少ペースは緩やかであり 、大規模な経済ショックが発生した場合、ソブリン格付けに下方リスクを残すと言及した。2024年8月、フィッチはインドのソブリン格付けを「BBB-(安定的見通し)」に据え置いた。2025/26年度予算案では、公的債務のGDP比を主な指標とする新たな財政運営方針が示され、2030/31年度までの6年間で同GDP比を2024/25年度の57.1%から47.5-52%に引き下げることを目指している。2025/26年度には56.1%へと減少させることを目標としており、名目GDP成長率は10.1%を想定している。

記事のご利用について:当記事は、住友商事グローバルリサーチ株式会社(以下、「当社」)が信頼できると判断した情報に基づいて作成しており、作成にあたっては細心の注意を払っておりますが、当社及び住友商事グループは、その情報の正確性、完全性、信頼性、安全性等において、いかなる保証もいたしません。当記事は、情報提供を目的として作成されたものであり、投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。また、当記事は筆者の見解に基づき作成されたものであり、当社及び住友商事グループの統一された見解ではありません。当記事の全部または一部を著作権法で認められる範囲を超えて無断で利用することはご遠慮ください。なお、当社は、予告なしに当記事の変更・削除等を行うことがあります。当サイト内の記事のご利用についての詳細は「サイトのご利用について」をご確認ください。

21人が「いいね!」と言っています。