デイリー・アップデート

2025年2月19日 (水)

[インド/フランス] モディ首相は、フランスのマクロン大統領と共同議長として、2月10~11日にパリで開催された人工知能(AI)アクションサミットを主催した。その後2月12日、両首脳はインド・フランスCEOフォーラムで演説を行い、マルセイユ近郊のカダラッシュにある国際熱核融合実験炉(ITER)を訪問し、民生用原子力エネルギーに関する3件の協定を締結した。原子力エネルギー分野での協力は、今後さらに重要な焦点となる可能性が高いと思われる。

[ルワンダ/コンゴ民主共和国(DRC)/欧州] 2月18日、ルワンダ外務・国際協力省は旧宗主国・ベルギーとの二国間開発協力を停止すると発表した。ルワンダ政府は声明において、ルワンダがDRC東部の反政府勢力「M23」を支援しているとベルギーが主張し、さらには欧州連合(EU)によるルワンダ向け経済制裁を主導している、と非難した。これは2月13日に欧州議会で可決された、EU・ルワンダ間の重要原材料のバリューチェーン協定停止措置を受けて、ルワンダ側が反発の姿勢をとったものとみられる。また、2月18日に英国の外務・英連邦・開発省は、M23のDRCでの進撃を非難するため在英国ルワンダ高等弁務官(大使)を召喚したと発表した。

[欧州/ロシア/米国] 米国とロシアのウクライナ侵略戦争に関する「和平交渉」が2月18日に行われたが、欧州側は招待されなかったことから、今後の対応に関して2月19日に緊急首脳会合を行うことが報道された。今回の会合は、2月17日に次いで2度目。善意の首脳会合の参加国に加え、9か国のEU加盟国と、EU非加盟国でNATO同盟国のノルウェーとカナダも招待されている。

[台湾] デジタル発展省は、台湾本土と連江県(馬祖)を結ぶ海底ケーブルが2月16日に切断された後、中華電信が通信維持のため、マイクロ波バックアップシステムを起動したと発表した。台湾と馬祖間の通信は主に2本の海底ケーブルによって維持されているが、そのうちの1本が完全に切断された。切断の原因はまだ特定されていない。マイクロ波バックアップシステムへの優先アクセスは政府機関、銀行、病院に与えられ、馬祖の住民の日常業務に支障がでないように、海底ケーブルの修理中もオンライン取引やATMからの現金引き出しなどが行えるようにする。

[オーストラリア] 豪連邦準備銀(RBA)が政策金利を0.25%引き下げ、4.1%とした。利下げは2020年11月以来、4年3か月ぶり。2024年10~12月期の総合CPI上昇率は前年同期比+2.4%と前期(+2.8%)から減速し、引き続き目標レンジ内(+2~3%)に収まった。コアインフレ率も減速している。豪州では総選挙が5月17日以前に行われる予定だが、インフレと景気の停滞によりアルバニージー首相の支持率は低迷している。

[イスラエル/パレスチナ] 2月18日、ハマスはイスラエルとの停戦合意の第1段階で解放する予定の人質の中で残る生存者6人全員(20代から40代の男性)を2月22日に解放すると発表した。ハマスは生存者6人を22日に解放することの条件として、イスラエル側に瓦礫を撤去するための重機や移動式住宅6万基、テント20万張などのガザへの搬入を求めている。ハマスは、既に死亡した人質8人の遺体を、20日と27日に4人ずつイスラエル側に引き渡すことも発表している。合意の第1段階は3月2日に終了する。

[米国/ロシア/ウクライナ] 2月18日、米ロ外相が率いる両国代表団がロシアとウクライナの戦争終結に向けた和平交渉を巡り、サウジアラビアの首都リヤドで協議した。米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の対面会談の具体的日程は決まらなかったが、停戦の実現に向けて、双方が新たに高官級の交渉チームを設けることなどで合意した。

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