2025年2月26日 (水)
[韓国] 2月25日、韓国銀行(中央銀行)は定例の金融通貨委員会を開き、政策金利の基準金利を0.25%引き下げ、年2.75%とすることを決定し、即日実施した。国内の景気減速と世界経済の不確実性の高まりを考慮した措置である。 また、2025年の経済成長率見通しを前年比1.5%とし、従来の1.9%から0.4ポイント下方修正した。これは、米トランプ政権の関税政策の影響による半導体や鉄鋼の輸出低迷に加え、国内消費の持続的な低迷を反映したものである。
[英国/コンゴ民主共和国(DRC)/ルワンダ] 2月25日、英国の外務・英連邦・開発省は、DRC東部でのルワンダ系反政府勢力「M23」とルワンダ国防軍による攻勢は国連憲章違反だとして、ルワンダ向けの制裁措置を発表した。これにより英国からのルワンダ向けの財政支援の一時停止や、軍事訓練の中止等の措置が課された。英国は「ルワンダは安全保障上の懸念を抱えているかもしれないが、軍事力で解決することは受け入れられない」との姿勢を示し、関係者らの即時停戦を求めるとともに、DRC政府に対してはM23との直接対話を求めた。ルワンダに対してはすでに米国とベルギーが制裁や援助停止を発表している。
[米国] ユタ州は公営水道水へのフッ化物添加を禁止する初の州になりそうだ。法案は州議会を2月21日に通過し、コックス州知事の承認を待ちとなっている。知事の広報担当はそれに署名するかどうかのメディアの質問に回答しなかった。法案提案者と支援団体は、ユタ州の提案がアメリカで前例を作ると述べており、ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官も水道水のフッ化物添加については、2024年11月にSNSを通じて健康へ有害と発言している。他方で、虫歯の抑制といった口腔ケアには有効で低コストだと現地の歯科医は主張する。反フッ化物運動は人気を集めており、これはパンデミックや過去のフッ化物による事故などが背景にあると見られている。なお、日本では実施されていないが、オーストラリアでは水道水に添加されており、アイルランドでは添加が義務付けられている。
[シリア/イスラエル] 2月25日、シリアの首都ダマスカスに国内各地から約600人の代表者が集められ、アサド政権の崩壊以降待望されていた国民対話会議が開催された。会議には女性や少数派宗教コミュニティーのメンバーも参加したが、国軍以外のいかなる武装集団も非合法とするとして、クルド系を含むシリア国内の武装勢力は会議には招待されなかった。また最終声明では、イスラエルによるシリア領への侵攻を非難し、ダマスカス以南に軍を配備しないようにというネタニヤフ首相のシリア新政府に対する要求を拒否した。
[米国] 2月25日、ホワイトハウスは、通商拡大法232条に則って、銅の輸入が米国の国家安全保障に及ぼす影響について調査を行うよう、商務長官に指示をした。商務省は9か月以内に報告書をまとめ、大統領に提出する必要がある。対象は銅鉱石、精製銅、銅合金などで、これらの輸入品が米国内の銅生産に及ぼす経済的影響、国家安全保障上の含意、国内の銅生産体制を拡充することの意義や方策などについて商務省が主導する形で調査を行う。トランプ政権は、すでに輸入鉄鋼・アルミに対して25%の追加関税を賦課することを発表しており、さらに自動車や半導体に対する追加関税も示唆している。
[欧州/米国] トランプ政権によるロシア政府やウクライナ政府に対する行動に関して米国との協調行動がみられない欧州だが、トゥスク首相(ポーランド)が、3月2日にEUと英国が首脳会合を開催することを発表した。英国を加えた欧州防衛強化計画について協議を行う予定。
[米国/中国] 2月21日の米連邦官報によれば、通商代表部(USTR)は第301条に基づき、中国の海運、物流、造船部門に対して特別料金を課すことを提案した。3月24日までパブリック・コメントを受け付け、同日、公聴会を行うとしている。提案では、中国の船舶運航会社が所有する船舶が米国の港に入港する際、最大で100万ドルの料金を課すこと、船舶の積載能力に基づいて1トンあたり最大1,000ドルの料金を課すこと、中国製の船舶が米国の港に入港する際、その船舶の運営者に最大で150万ドルの料金が課すことなどが挙げられている。
[米国/ウクライナ] 2月25日、米国とウクライナは、鉱物資源に関する協定について合意したと、複数の関係筋が明らかにした。ウクライナのゼレンスキー大統領は28日に米ワシントンを訪れ、トランプ大統領と会談し、同協定を署名する予定となっている。
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