2025年2月28日 (金)
[アルゼンチン] 2024年のGDPはマイナス成長であったが▲1.8%の減速にとどまり、インフレ率についても大幅な低下がみられるなどミレイ大統領はこれまで一定の成果をだしてきている。しかし、公約としている資本規制の撤廃については、現在大幅に過大評価されているペソの急落を伴い、短期的にはインフレ率が急上昇し、国民に新たな痛みを伴うことから、10月の中間選挙の前に大きく進展する可能性は低いとみられる。
[米国/英国/モーリシャス] 2月27日、ホワイトハウスで米英首脳会談が実施された。トランプ大統領は、英米共同基地がある英国領チャゴス諸島の主権をモーリシャスに返還する代わりに、英国が99年間のリース権を得る協定案に関し、同意する意向を示した。同協定案は、2024年10月に英・モーリシャス間で合意に至っていたが、インド洋における米国の主要軍事基地だけに、事実上トランプ大統領の「承認」が必要な状況となっていた。トランプ氏は「詳細を確認する」と述べたが、これで「承認」が得られたとみられ、英スターマー労働党政権にとっての成果とみられている。英国がモーリシャスに支払うリース料は90億ポンド(約1.7兆円)とも報じられている。
[中国/パナマ] パナマは、2025年2月に中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」からの離脱を決定し、中国側に通達した。 これは中南米諸国で初の離脱となり、パナマの外交方針の転換を示している。パナマは、2017年6月に中国と国交を樹立し、同年11月にこの構想に参加した。今回の離脱の背景には、米国との関係強化とパナマ運河の運営権の問題が絡んでいる。ただし、パナマは中国との協力関係を断とうとしている訳ではなく、経済的な結びつきは依然として強い。パナマ運河は米国船に次いで中国船の利用が多い。また、中国企業は、パナマ運河付近の港湾や関連施設に多額の投資を行っている。
[日本] 総務省によると、2月の東京都区部の消費者物価指数(総合)は前年同月比+2.9%となり、1月(+3.4%)から上昇率を縮小させた。政府が1月から電気・ガス代補助金を再開したため(対象は1~3月)、それらの価格が物価全体を0.31pt押し下げた。また、消費者物価指数(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は+1.9%となり、1月と同じだった。2024年10月以降の上昇率は1.8~1.9%のレンジに収まっており、物価の基調に大きな変化はなかった。
[米国] 2月27日、トランプ大統領は、延期していた対カナダ・メキシコ関税の賦課を3月4日から開始する旨、SNSで発信した。また、2月から中国からの輸入品に対して賦課していた10%の追加関税率をさらに10%引き上げることも明らかにした。トランプ現政権が決定した中国に対する追加関税率は、累計で20%となる。そして、世界各国の貿易障壁に応じて賦課する「相互関税」についても、4月2日からの実施に向けて準備中であるとした。トランプ大統領は、国別関税に関して、この他に対EU追加関税25%を決定したと発言している。
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