2025年2月17日 (月)
[日本] 内閣府によると、2024年第4四半期(Q4)の実質GDP成長率は前期比+0.7%、年率換算+2.8%だった。3四半期連続のプラス成長。内訳をみると、個人消費や設備投資など内需の寄与度は▲0.1ptであり、輸出入の外需の寄与度は+0.7ptだったため、外需主導の成長になった。実質の雇用者報酬は+1.5%となり、5四半期連続のプラスで、2018年Q2以来の大きな伸び率だった。また、2024年通年の実質GDP成長率は前年比+0.1%と、4年連続のプラス成長だった。
[アフリカ連合(AU)] 2月15~16日に第38回AU総会がエチオピアの首都アディスアベバで開催された。同総会に出席した国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「内戦により世界最大の人道危機に陥っているスーダンの紛争当事者らはラマダン(断食月)前に即時停戦すべきだ」と述べた。また、コンゴ民主共和国(DRC)東部で反政府勢力「M23」が攻撃を続けていることを非難し、「DRCの主権と領土は保全されなければならない」と主張した。また、今回のAU総会ではAUの事務局長を担う委員長選挙が実施され、投票の結果、ジブチのマハムッド・アリ・ユスフ外相が新委員長に任命された。
[インド] 2月12日、インド統計・計画実施省が発表した1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+4.31%となり、前月の+5.22%を下回った。3か月連続で減速となったがが、インド準備銀行の中期目標(2~6%)の範囲内にはとどまった。インド商工省が2月14日に発表した1月の卸売物価指数(WPI)は前年同月比+2.31%となり、前月の+2.37%から縮小した。インド統計・計画実施省が2月12日に発表した12月の鉱工業生産指数(IIP)は前年同月比+3.2%となり、前月の+5.0%から減速した。
[インド/米国] 2月13日、モディ首相がワシントンDCでトランプ大統領と会談した。トランプ大統領が就任後、ホワイトハウスに招いて会談する外国首脳としては4人目となる。共同声明が発表され、防衛、貿易・投資、エネルギー安保、技術、多国間協力、人的協力における連携強化で一致した。貿易額を30年までに5,000億ドルに倍増する目標を打ち出し、貿易協定の締結を目指し、今秋までに協議を開始するとした。米国がインドへの石油やLNGの主要供給国となることや、兵器の共同生産とF-35戦闘機等のインドへの供与でも合意した。今年インドで開催されるクアッド首脳会合にトランプ大統領の参加が見込まれると明記され、また、モディ首相は米国からの不法移民の受け入れを約束した。
[イスラエル/パレスチナ] 2月15日、ハマスはイスラエル人の人質3人を解放し、イスラエルはパレスチナ人369人を釈放した。先週ハマスが、イスラエルの停戦合意違反を理由に人質交換を延期するとの声明を出したことで停戦合意の存続が危ぶまれたが、結果的には合意通りに人質交換が行われ、停戦合意は継続している。しかし、2月3日から開始する予定だった停戦合意の第2段階の詳細を詰める協議が始まっておらず、3月2日に第1段階が終了した後に第2段階に移行できるかどうかは微妙な状況となっている。
[米国] 上院共和党議員らは、電気自動車(EV)に関する法案を提出した。法案の1つは7,500ドルのEV税額控除を廃止するもの、もう1つはEV購入に新たに1,000ドルの手数料を課すものだ。もし成立すれば、ほとんどのEVの車体価格は上昇する。ワイオミング州選出のバラッソ上院議員が提出した法案は税額控除の廃止のほかに、充電ステーションに対する連邦投資税額控除や4,000ドルの中古EV税額控除、リースEVに対する優遇措置も廃止されることになる。 ネブラスカ州選出のフィッシャー上院議員が提出した法案は、新しいEVの購入に1,000ドルの税金を課すというもので、EV所有者がインフラの改善と修理のために高速道路信託基金に徴収されるガソリン税を一切支払っておらず、重いEVは交通インフラの損耗を増加させるため、としている。上院では賛同者も多いことから法案が通過する可能性が高い。一方で、既に多額の投資をしてきている産業界からの反対やEVを推進したい消費者層が一定水準いることもあり、法案の今後の行方に注目が集まっている。
[欧州/米国] 2月14日から16日にかけて行われたミュンヘン安全保障会議で、米国がロシアと開始するとみられるウクライナ和平交渉に関して欧州の参加を否定したことを受け、マクロン大統領(フランス)が2月17日に緊急サミットを開催することを発表。コスタ大統領、フォンデアライエン委員長、一部EU加盟国の首脳らに加え、スターマー首相(英国)やルッテNATO事務総長も参加するとみられる。
[中国] 2月14日付のロイターは、関係者の話として、習近平国家主席がアリババ創設者のジャック・マー氏や中国ビジネスリーダーらを集めてシンポジウムを開催すると報じた。参加者の多くはテクノロジー分野からの予定で、テンセントやファーウェイの幹部らも参加し、2月17日に開催される予定が高いと報じている。この報道後、香港ではアリババ、テンセント、小米の株価が上昇した。習近平氏が民間セクター経営者との会議を主催するのは珍しく、米中関係の緊張の高まりや経済鈍化の圧力を反映しているとみられている。
[米国/ロシア/ウクライナ] ロシアの現地メディアによると、2月18日に米国とロシアの政府高官がウクライナ問題を巡る協議をサウジアラビアで行う予定。戦争終結に向けた協議を行い、今月末にトランプ大統領とプーチン大統領による対面首脳会談の準備も行うもよう。
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