デイリー・アップデート

2025年3月6日 (木)

[エクアドル] ノボア政権は、サシャ油田の開発権を、中国のシノペックとカナダのペトロールのコンソーシアムであるシノペトロールに、63億ドルで譲渡した。コンソーシアムは今後6年間で17億ドルを新たに投資して、2028年までに生産量を+33%の10万 b/dに増加させることを目指す。野党や、労働組合は譲渡を強く非難している。

[米国/中国] 3月4日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙は、米トランプ政権が米国の造船業を復活させ、世界における中国の造船分野での影響力に対抗するための大統領令を準備しているとして、その草案の内容について報じている。それによれば、米国に入港する中国製船舶やクレーンに料金を課すことや、米国内の海運・船舶業強化のため国家安全保障会議に新たな部門を新設することなど、18の施策が盛り込まれている。地中海シッピングCEOのトフト氏は、この大統領令が施行された場合、アジアから米国への一部の航路では40フィートコンテナ1個あたり最大800ドルの運賃値上げにつながる可能性があると述べている。

[米国/メキシコ(墨)/カナダ(加)] 3月5日、トランプ政権は、メキシコとカナダからの輸入品に課している25%関税を自動車、自動車部品に対しては30日間にわたって免除する意向であることを発表した。トランプ大統領が米自動車産業と協議の結果、米墨加協定(USMCA)の規定に合致する完成車、自動車部品は、米自動車メーカー以外の製品であっても関税の対象外となる見込み。米大統領報道官は、他分野においても除外措置が認められる余地があると発言したが、現在、検討中の相互関税については4月2日からの実施で、かつ適用免除はないと述べた。

[インド] 2月27日、国際通貨基金(IMF)はインド政府との「第4条協議」完了に伴い、報告書を発表した。IMFは、2024/25年度および2025/26年度の実質GDP成長率をそれぞれ6.5%と予測している。マクロ経済および金融が共に安定していることを背景に、堅調な個人消費が成長を支える見込みであるとした。2024/25年度および2025/26年度のインフレ率は、それぞれ4.8%および4.3%となり、食品価格の上昇が緩和され、インフレは低下する見込みである。経常収支はGDP比で、2024/25年度は▲0.9%、2025/26年度はやや悪化し▲1.3%程度になると見込まれている。

[米国] 連邦準備理事会(FRB)が5日発表した『地区連銀経済報告(ベージュブック)』によると、米国の経済活動は1月末以降、わずかに拡大した。前回1月の表記「わずかに、ないし緩やかに拡大した」から下方修正された。個人消費の低調さなどが目立った。雇用は総じてやや改善した一方で、物価上昇ペースは前回よりもやや加速した。また、関税や移民政策など不確実性が高まっていることが改めて示された。

[欧州] 3月5日にカルビーニョ欧州投資銀行(EIB)総裁が、EIBの投資条件を緩和・変更する提案を3月21日のEU特別サミットで提示することを正式に発表した。これは、3月4日にフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が発表したEUの再軍備を目指すReArm Europeの5つの措置の一つ。武器・弾薬は緩和案に含まれていないが、ドローンや国境警備などに関する融資が可能となる。

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