2025年3月21日 (金)
[ニュージーランド] 3月20日、 ニュージーランドの2024年10~12月期の実質GDP成長率は前期比+0.7%、前年同期比▲1.1%だったと発表された。前期(前期比▲1.1%、前年同期比▲1.6%)からプラスに転じ、2期連続のマイナス成長(テクニカル・リセッション)から脱した。インフレの沈静化(同期の CPI上昇率は前年同期比+2.2% )と中銀による継続的な利下げ(2024年8月から2025年2月にかけて4会合連続で利下げを行い、現在3.75%) により国内消費と投資が持ち直している。中銀は4月と5月に0.25%ずつ追加利下げを行う見通しを示している。
[マレーシア] 3月20日、統計局が発表した2月の貿易統計(速報値)によると、輸出額は前年同月比+6.2%の1,182億5,500万リンギ(約3兆9,720億円)となり、5カ月連続の増加で、2月として過去最高を記録した。製造業は+8.8%と好調で、特に電気・電子製品の+18.1%が輸出全体を押し上げた。輸入額は+5.5%の1,056億3,900万リンギ(約3兆5,498億円)で、16カ月連続の増加となったが、伸び率は前月の+6.2%を下回った。中間財・資本財・消費財すべてが増加し、特に資本財は+35.3%と顕著だった。米国の関税引き上げや世界的な貿易摩擦といったリスクはあるものの、エコノミストらは電気・電子製品やパーム油の需要を背景に、輸出は引き続き堅調に推移すると予想している。
[南アフリカ] 3月20日、準備銀行(SARB)は金融政策委員会(MPC)を開催し、政策金利を+7.50%に維持すると発表した。これまで3会合連続で利下げが行われていたが、レセチャ・クガニャゴSARB総裁は、「不確実な世界情勢や、国内での付加価値税(VAT)増税議論等の変動要因を想定し、据え置きを決定した」と述べた。また、2024年と2025年の実質GDP成長率予測はそれぞれ+0.6%、+1.7%と若干下方修正された。クガニャゴ総裁は米国による「アフリカ成長機会法(AGOA)」の停止や、通貨ランド安、インフレの進行に伴う金融引き締め等、「最も厳しいシナリオ」の場合、25年の成長率は最大で0.7ポイント低下するとの見方を示した。
[欧州] 3月20日のEUサミットで、ハンガリーのオルバン首相が署名を拒否したことからウクライナ情勢に関する結論は「抜粋」として発表した。「抜粋」にはロシアに対する圧力を強化すること、対ウクライナ軍事支援を強化することなどが盛り込まれた。しかし、欧州委員会が今月発表したEUの「再軍備」計画であるReArm Europeはさらなる協議が続けられる予定。
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