2025年3月19日 (水)
[カタール/コンゴ民主共和国(DRC)/ルワンダ] 3月18日、カタールの首都ドーハでタミーム首長の仲介の下、DRCのチセケディ大統領とルワンダのカガメ大統領との非公式会談が行われた。両氏の直接対話は1月にDRC東部での衝突が悪化して以降初となった。会談後に発表された共同声明では、2月に東アフリカ共同体(EAC)と南部アフリカ開発共同体(SADC)の合同サミットで呼びかけられた「即時停戦」についての再確認とともに両国間の協議継続が明記された。パレスチナ問題などこれまで数々の紛争の仲介を行ってきたカタールに対して、両国はそれぞれ仲介の要請を行っていたと報じられている。
[インドネシア] 3月17日に中央統計局(BPS)が発表した2月の貿易統計によると、輸出額は前年同月比+14.1%、前月比+2.6%の219億8,120万ドルとなり、11か月連続で前年同月を上回った。特に、原油および精製パーム油の輸出額が+90%の23億ドルと急増したことが寄与した。輸入額は前年同月比+2.3%、前月比+5.2%の188億6,430万ドルとなった。これにより、貿易収支は31億1,690万ドルの黒字を記録し、前年同月比の3.7倍に拡大し、黒字は58か月連続となった。
[ドイツ] 欧州経済研究センター(ZEW)が発表した3月のドイツ景気期待指数は51.6だった。2月(26.0)から大幅に上昇し、市場予想(50.3)を上回った。直近ピークの2024年6月(47.5)を上回り、2022年2月(54.3)以来の高水準になった。「将来の財政政策に関する前向きなシグナルによるところが大きい」とバンバッハZEW所長が述べたように、インフラ・防衛関連の支出増加による景気の持ち直しが期待されているようだ。
[米国] 鶏卵の価格が安定しつつある米国で、今度は牛肉価格が再上昇している。セントルイス連銀のデータによると、牛100%のひき肉の価格はポンドあたり5ドル625セントに達した。この1年では約10%の値上がり、9月の最高値である5.67ドルに近づいている。地域別にバラつきがあり、中西部で6ドル105セント、南部では5ドル53セントと約10%の価格差があり、南部の値上がりはほかの地域よりも緩やかな上昇となっている。米国で消費されている牛肉は主にオーストラリア、カナダ、メキシコから輸入されており、関税次第で価格は一段と跳ね上がることが予想されている。
[ドイツ] 3月18日に連邦議会(下院)にて、CDU/CSUとSPDが合意したインフラ投資目的の特別基金設立と、防衛費増額のための財政規律の緩和を目的とした基本法(憲法)改正法案が賛成多数で可決された。3月21日に連邦参議院(上院)で投票が予定されている。
[イスラエル/パレスチナ] 3月18日、イスラエルは停戦を破り、ガザへの空爆を再開した。事前の警告なく夜中に突然始まったガザ全土への空爆によって、ガザのパレスチナ人400人以上が死亡し(子供174人を含む)、500人以上が負傷した。ネタニヤフ首相は、この攻撃は「ただの始まりに過ぎず、人質が解放されるまで軍事作戦を続ける」と発言。国際社会はイスラエルの空爆を強く非難しており、グテーレス国連事務総長は、Xに「憤慨している(Outraged)」と投稿。米国はイスラエルの行動を全面的に支持すると表明した。
[米国] 3月18日、ベッセント財務長官は、トランプ政権が検討している相互関税について発言し、米政府が二国間ベースで算定する関税率を4月2日に各国に提示すると述べた。その関税率を基に、各国との交渉が始まる見込み。米ウォール・ストリート紙報道によれば、当初は、世界各国を、関税率の異なる三つのカテゴリーに分けて相互関税を賦課する案も検討されたとのことだが、最終的には二国間ベースの関税で臨む方針となった。4月2日には相互関税のみならず、自動車、半導体、医薬品に関する関税措置についても、何らかの発表がなされる予定となっている。
[米国/ロシア] 3月18日、ロシアのプーチン大統領はトランプ米大統領との電話会談で、3月19日にウクライナとの間で175人ずつ捕虜を交換すると表明した。また、ロシアの医療機関で治療を受けている23人の重傷ウクライナ兵をウクライナ側に「善意の印」として引き渡すことも説明したという。また、トランプ氏がロシアとウクライナの双方にエネルギー施設への攻撃を30日間やめるよう提案し、プーチン氏は直ちに中止するよう軍に命じた。
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