デイリー・アップデート

2022年3月3日 (木)

[米国] 3月2日、FRBは『地区連銀経済報告(ベージュブック)』を公表し、「米国経済が緩慢から緩やかに拡大している」と評価した。感染拡大の影響などから個人消費が前回1月時点に比べて弱含んだ。一方で、雇用も緩慢から緩やかに増加しており、引き続き人手不足が生じている。企業は報酬を増やしたり、勤務地を柔軟に設定したりするなど、人手確保に奔走している。原材料コスト増の転嫁が進んでおり、物価上昇圧力が緩和される兆候はあまりないと報告されている。

[ロシア] 株式市場の閉鎖が続き、外国人投資家への現金支払いが全面的に禁止された。3月3日、中央銀行はモスクワ証券取引所の同日の株式取引を一部の例外を除いて再開しないと発表した。株式取引は2月28日から停止が続いている。一方、中銀は2日までにルーブル建てのロシア国債を保有する外国人投資家に対し、銀行などによる利払いを停止した。ロシアは欧米による外貨取引を制限する制裁発動や通貨ルーブルの急落を受け、資金流出に歯止めをかけるべく対策を急いでいる。

[韓国] 大統領選において、保守系最大野党「国民の力」のユン・ソギョル(尹錫悦)候補と中道系野党「国民の党」のアン・チョルス(安哲秀)候補が、3月3日の記者会見で、候補を尹氏に一本化することで合意したと発表した。アン氏は、政権交代という大義に従うことが正しいと考えたと発言。両氏は両党の合併を進めることでも合意した。この野党候補一本化が政権交代の世論の結集につながれば、世論調査で支持が拮抗している与党イ候補との対抗上、ユン候補の優勢が強まる可能性がある。4日から期日前投票が開始されるため、3日の一本化はギリギリのタイミングだった。

[中国/ロシア] 済南市税関・物流弁公室によると、山東高速国備蓄物流有限公司が輸送を手配したロシア産大麦が、貨物列車「済南中欧班列(斉魯号)」を利用した初のロシア大麦輸入専用列車によって、2月26日、無事済南市に到着した。山東省が「中欧班列」でロシア産大麦を輸入するのはこれが初めてで、食糧輸入多元化の推進に貢献するとしている。2019年10月に済南市は、「斉魯号」で中国初のロシア小麦粉輸入専用列車を編成し、小麦粉を輸入している。

[ロシア] ロシアによるウクライナ侵攻が激しさを増す中、各国政府が対ロシア制裁を発動するだけではなく、企業が次々にロシアへの製品輸出を停止したり、投資を停止したり撤退する動きが顕著になっている。そうした動きは英BPなどのエネルギー企業大手から半導体メーカーのIntelやAMD、GMをはじめとする自動車メーカーにまで及んでおり、物流最大手のFedExやUPSもロシア向け配送サービスの停止を決定している。

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