デイリー・アップデート

2022年3月4日 (金)

[豪州] 3月2日、2021年10-12月期(第4四半期)の実質GDP成長率は前期比+3.4%、前年同期比+4.2%だったと発表された。前期のマイナス成長(前期比▲1.9%)から大幅に改善した。10月にシドニーとメルボルンでのロックダウンが解除されたことで、家計消費が前期比+6.3%と大きく増加した。一方、輸出は前期比▲1.5%とマイナスに転じた。穀物は好調だったが、石炭が同▲4.9%、鉄鉱石が同+0.7%だった。今期の成長により、豪州のGDPは2019年12月の水準を3.4%上回った。

[米国/ロシア] ロシア軍によるウクライナへの攻撃が激しさを増す中、米議会からもプーチン大統領に対する反発がさらに強まっており、自由主義世界の国家安全保障およびエネルギー安全保障を同大統領の手の中に委ねることはもはやできないとの議論が党派を超えて拡大している。そうした中、上院でマンチン上院エネルギー・天然資源委員長(民主党)らの主導でロシア産の原油、石油、石油製品、LNG、石炭の輸入を禁止する「ロシア産エネルギー輸入禁止法案」が提出された。

[アジア] 3月1日、英調査会社IHSマークイットは2月の製造業購買担当者景気指数(製造業PMI)を発表。インドネシアが51.2(1月53.7)、ベトナムが54.3(1月53.7)、フィリピンが52.8(1月50)、タイが52.5(1月51.7)、マレーシアが50.9(1月50.5)、インドが54.9(1月54)といずれも景気判断の節目となる50を上回った。一方、ミャンマーは47.3(1月48.5)と2か月連続で前月を下回り、18か月連続して50を割り込んだ。

[米/欧/日] ◇米労働省によると、2月26日までの1週間の新規失業保険申請件数は21.5万件となり、前週から▲1.8万件と2週連続で減少した。感染拡大前の2019年平均21.8万件を下回った。◇EU統計局(Eurostat)によると、1月のユーロ圏失業率は6.8%となり、比較可能な1998年以来の過去最低水準を3か月連続で更新した。◇総務省によると、1月の日本の完全失業率は2.8%となり、2021年8月以降、ほぼ横ばいで推移している。

[ウクライナ/ロシア] ロシア軍のウクライナ侵攻を巡り、両国代表による2回目の停戦協議が3月3日、ベラルーシで開かれた。両国は、戦闘地域で住民の避難や食料輸送を実施する間、一時的に交戦を停止する「人道回廊」確保の方針で一致した。来週初めにも3回目の協議を実施することでも合意している。

[韓国/中国] ◇韓国:3月3日の新型コロナ新規感染者数が26万6,853人、死亡者数も186人と共に過去最多を更新した。2月24日~3月2日の1週間の新規感染者数では、韓国が116万3,514人と世界最多だった。嘉泉大学教授は、死亡者数が3月末頃に1日平均、最多で4~500人に達する可能性に言及。◇中国:北京市医療保険局は、子宮内人工授精、胚移植など信頼性の高い16項目の人工授精技術を国内で初めて医療保険の保障対象に組み入れた。3月26日から実施。

[中国] NYT紙(3月3日付)が、2月初めに中国政府高官がロシアに対し「ウクライナ侵攻を北京冬季五輪が終わるまで遅らせてほしい」と要請していたという欧米の情報機関の分析について報じ、中国が侵攻について知っていたのではと注目されている。一方、フランスのマティス美術館は、北京のUCAA現代美術センターで開催される展覧会にマティスの作品を貸し出すことを取りやめ、主催者側は展覧会の延期を発表した。欧米ではウクライナ問題に対する中国の「中立」姿勢への批判が強まりつつある。

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