デイリー・アップデート

2022年3月11日 (金)

[欧州] ECB理事会が3月10日に開催され、資産買い入れプログラム(APP)の買い入れペースが修正された。月200億ユーロの買い入れペースに戻るタイミングは、前回時点の10月から6月に前倒しされた。また、7月以降は、データ次第であるものの、APPの終了も視野に入れている。また、政策金利の引き上げについては、APP終了後しばらくして、ゆるやかに実施すると声明文に記載された。不確実性が高まり、経済・物価動向次第であるものの、金融引き締め姿勢が示された。

[ロシア] 3月10日、政府は同国から撤退する外資系企業を接収、あるいは国有化する案を策定した。プーチン大統領も閣僚会議で政府の方針を了承した。ロシア経済発展省は外国人の持ち分が25%を超える撤退企業を一時的に管理下に置く方針を明らかにし、ロシア与党・統一ロシアはその法案を準備していると明らかにした。実行されれば、日本企業も含め、多くの外資企業が影響を受ける可能性がある。

[中国/ラオス] 3月9日、中国国家エネルギー局とラオスエネルギー鉱山省の推進の下、中国南方電網とラオス国営電力公社は協力協定(MOU)を締結した。ラオスの水力発電の総設備容量は約1万メガワット、年間平均発電量は500億キロワット時以上あるが、配電能力が不足している。メコン・瀾滄(ランツァン)江地域における相互接続電力網の建設および共通電力市場の早期形成を目指すとしている。

[米国/フィリピン] 3月10日、米国務省はフィリピン政府との間で原子力協力覚書を署名。これによって民生原子力活用において研究開発や不拡散体制強化に向けた二国間の官民協力を促進する狙い。当該覚書は、原子力関連機器等の対フィリピン輸出等を可能にする原子力協力協定ではなく、法的拘束力も無いが、より柔軟に原子力協力をスタートさせることが可能になる。フィリピンは2019年にロシアの国営ロスアトム社と原子力発電所建設に向けた覚書を締結している。

[マレーシア] 投資開発庁(MIDA)は、2021年の投資認可額は3,065億リンギット(約732億3,800万ドル)で過去最高になったと発表。対内直接投資(FDI)が前年の3倍余りに増加したこと、電機・電子(E&E)部門のプロジェクトが増加したことなどが寄与した。FDIの認可額は2,086億リンギットで全体の68.1%を占め、残りは国内からの投資だったが前年比で▲5.1%だった。

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